北朝鮮、マレーシアと関係断絶へ 市民の米引き渡し巡り
ロイター / 2021年3月19日 8時42分
[ソウル 19日 ロイター] - 北朝鮮は、マレーシアの裁判所が北朝鮮男性の米国への引き渡しを可能とする判断を示したことを受け、マレーシアとの関係を断つと表明した。国営の朝鮮中央通信(KCNA)が19日、伝えた。
北朝鮮外務省は、米国も「報い」を受けることになると警告した。
メディアの報道によると、マレーシアの最高裁判所は9日、マネーロンダリング(資金洗浄)の罪に問われた北朝鮮籍の男について、米国への引き渡しが可能とする判断を下した。
男はマネーロンダリングや北朝鮮への違法輸出に絡む文書偽造の容疑で2019年に逮捕された。米国の引き渡し要求は政治的動機に基づいていると主張し、法廷で争っていた。
北朝鮮外務省は引き渡しについて、マレーシア当局は「広く認められた国際法を無視して米国の敵対的な動きにわが国の市民を犠牲として差し出した」とし、「非道な行為で、許されない重罪だ」と非難。
マレーシアの行為は「主権尊重に基づく二国間関係の基盤全体」を損ねたと主張した。
米国についても「今回の事案を裏で操る主犯である米国も当然の報いを受けることになると事前に警告しておく」と述べた。
マレーシアと北朝鮮の関係はかつては緊密だったが、北朝鮮の金正恩総書記の異母兄、金正男氏が2017年2月にクアラルンプールの空港で殺害された事件を契機に冷え込んだ。
*内容を追加しました。
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