“女性軽視”問題に哲学、政治まで…本のプロが教える“知性を磨く本”5冊
ananweb / 2019年4月15日 19時0分
知らない世界の扉を開いてくれたり、品格をもたらしてくれたり、本の持つパワーは偉大。でも、本の海は広すぎて……。そこで、迷わず自分を高められるように、本のプロ5人がナビゲート! 知的な女性に近づけるヒントに溢れる本をご紹介。
■ 甲斐みのりさんおすすめ
『石井桃子のことば』(中川李枝子、松居 直、松岡享子、若菜晃子ほか)
「ネットやSNSで気軽に情報収集できるのは便利な半面、その向こう側にいる人への想像力の欠如が問題視されてもいます。“世界平和を祈る”などと大そうなことでなくても、まずは自分の日常やすぐ隣にいる人たちが、文化的に暮らせるように意識すること。それが、やがて平和に繋がるのだと、シンプルな言葉の中に学びがありました」
『クマのプーさん』『ピーターラビット』を翻訳し、『ノンちゃん雲に乗る』の作者でもある石井桃子。作品や身近な人たちの談話から、児童文学や人生への考え方を探る。新潮社 1600円
■ 花田菜々子さんおすすめ
『My Little New York Times』(佐久間裕美子)
「著者が暮らすNYでの日常と社会問題が自然に繋がる形で、フラットに語られます。友人たちとフランクに議論できる環境が羨ましくもあり、議論の深さから自分の浅はかさにも気づかされました。以前は社会問題に冷笑的であることがイケてるとさえ思ってましたが、差別問題や政治にコミットすることは、成長に欠かせない要素と確信」
NY在住20年のライターが、トランプ大統領就任の年に始めた1年間の日記。記述に関連する新聞や雑誌などの記事にとべるQRコード付き。伊藤総研+NUMABOOKS 1850円
■ 三浦天紗子さんおすすめ
『世界のすごいお葬式』(ケイトリン・ドーティ、池田真紀子・訳)
「現代アメリカの葬式ビジネスに疑問を感じ、若くして『その人らしい葬儀をサポートする』葬儀社を営む著者。インドネシアやメキシコ、日本と世界を巡り、各地に伝わる独特の葬儀風習を知っていくエキサイティングなノンフィクション。死者を弔い、悼む風習とそこに表れる死生観は、ここまでに多様なのかと、視点が増えました」
死者と数年暮らしながらミイラにするインドネシアの部族など、葬儀ディレクターが世界で見た弔い方をレポ。先進国の画一的な葬送の在り方や死生観に一石を投じる。新潮社 1700円
■ 新井見枝香さんおすすめ
『ニーチェが京都にやってきて17歳の私に哲学のこと教えてくれた。』(原田まりる)
「実在の哲学者たちが、個性強めのキャラで女子高生の前に登場。たとえば、キルケゴールは奇抜な格好のファッションを例にとって、主体的真理と客観的真理を説明するため、自分が好きな服を着るのか、流行の服を着るのかを問います。そうしたごく身近な選択が“どう生きたいか”という哲学的思考に繋がっていく過程が刺激的です」
実存主義哲学の入門エンタメ小説。バイト帰りの女子高生が、京都の哲学の道でニーチェに出会う。その日を境に、次々と哲学者が現れ、生きる意味を教える。ダイヤモンド社 1400円
■ 瀧井朝世さんおすすめ
『「ほとんどない」ことにされている側から見た社会の話を。』(小川たまか)
セクハラ、痴漢やレイプなどの性暴力、ジェンダー格差。女性を取り巻く問題とそれに反応する人々に正面から向き合い、Webを中心に発信してきたライターの記録。タバブックス 1600円
「一見、何でもないCMににじみ出る女性蔑視など、日常に潜む様々な差別に対する自分の眼を再検証させられました。とはいっても、背伸びしない率直な言葉で綴られています。なので、炎上した広告や人の言動などがなぜNGで、自分が不快と感じたのか、自分の中で考えがクリアになって、どんどん新たな気づきへと導かれていきます」
※『anan』2019年4月17日号より。写真・内山めぐみ 取材、文・小泉咲子
(by anan編集部)
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
苛立ちや苦しみも「いいこと」に変えられる…30代半ばから病と闘い続けた哲学者〈ニーチェ〉から学ぶ「病気の活かし方」とは
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年5月1日 11時0分
-
亡き父の〈預金1,500万円〉を勝手に葬儀費用にした長男→弟達「え、遺産分割は?」…葬儀にまつわる相続トラブル【弁護士が解説】
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年4月23日 11時15分
-
「葬儀社」のデータ&ランキング発表!認知率1位・期待度1位は「小さなお葬式」
PR TIMES / 2024年4月15日 16時15分
-
祖母が「自分の葬式代に」と、100万円のタンス預金があると教えてくれました。祖母のために使っても「税金」はかかるんですか?
ファイナンシャルフィールド / 2024年4月14日 2時30分
-
【漫画】亡くなった友人のために蘇生薬を発明 生き返るも、衝撃のひと言に3万人が「悩ましい」【作者インタビュー】
マグミクス / 2024年4月4日 20時50分
ランキング
-
1映画「もののけ姫」の映えスポットで撮影した女性の投稿に大反響! 「言われなくても生きそう」「無敵感がすごい」
よろず~ニュース / 2024年5月2日 15時0分
-
2枯れたミントを畑に捨てたら…3年後に「地獄絵図」、 繁殖力に地主も後悔「土の総入れ替えしかない」
まいどなニュース / 2024年5月3日 7時10分
-
3【業務スーパー】手土産にもおすすめ♪ 「ダブルチーズケーキ」が可愛くて上品
イエモネ / 2024年5月3日 15時0分
-
4iPhoneに「侵害されたパスワード」という通知が来ました。パスワードが漏洩してしまったのでしょうか?
オールアバウト / 2024年5月2日 21時25分
-
5コンビニは「前向き駐車」すべき? なぜ「バック駐車」は推奨されない? “納得の理由”と守らなかった際の「悪影響」とは
くるまのニュース / 2024年5月2日 17時10分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください