カフェラテ大好き、睡眠不足…「口がクサくなりやすい人」の特徴と対策 #214
ananweb / 2023年5月26日 20時40分
マスクを外す人が増えた今、口臭を気にする人も増加しているよう。中医学士で漢方薬剤師の大久保愛先生が口臭対策と臭いがキツくなるNG行動を教えてくれます。
最近、口臭が気になりませんか?
【カラダとメンタル整えます 愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 215
蒸し蒸しした日が続き、以前にも増してマスクをする人が減ってきましたよね。そこで、気になることといえば、口臭ではないでしょうか。マスクがなくなると、口からのニオイがダイレクトに人へ届いてしまいます。今まで、マスクをしているとニンニクを食べたり、コーヒーを飲んだりしても口臭をそこまで気にしなくてもよかったと思います。ですが、マスクをしていない人同士で会話をすると、口臭について気になり始めるのではないでしょうか。
とりあえず、マナーとしてニオイがきつい食材を避け、マウスウォッシュやガム、口臭タブレットなどで対策をとるというかたも多いかもしれません。そういった行動は、もちろん有効ですが、ほかにもできることがありますので、お困りの方は食薬や生活習慣の見直しを並行して行っていくとさらに効果的だと思います。
また、口臭の原因となるものには、口呼吸や食事の噛む回数やストレス、歯周病、扁桃炎、副鼻腔炎、肝機能や腎機能の低下、糖尿病、胃腸の不調などさまざまな問題があります。そのため、一時的な措置だけではなく生活習慣を見直し、カラダの内側からのケアも行うことは、口臭だけではなく、健康管理にも役立つものとなります。口臭が気になり始めたことをきっかけに健康習慣をスタートしてみてはいかがでしょうか。
ということで、今週は気になる口臭対策となる食薬習慣についてご紹介していきます。
今週は、口臭対策となる食薬習慣
マスクを取り外すと開放的な気分になりますが、今までの長期化したマスク習慣により、ほうれい線が増えたり、口元がたるんだり、ニキビができていたり、唇がむけていたり、口呼吸が癖になってしまっていたり、呼吸が浅くなっていたりと地味に後遺症を引きずるケースも多いようです。そして、自分だけの問題だけでも困りものですが、他人にまで迷惑をかけてしまう口臭まで発生させてしまったら、再びマスク習慣を始めたくなってしまいますよね。
口臭の原因は多岐にわたるため、一時的な対処に加え、体調や習慣の見直しを行うことは必須としていただきたいものです。漢方医学で口臭が気になる状態を偏食や睡眠不足、運動不足、ストレスなどが原因としてできる『湿熱』がたまっていると考えます。
また、舌の苔が増えたり、苔の色がうっすら黄色くなったりすることで判断することがあるので、舌苔の状態をチェックしてみるのも良いと思います。また、消化器系との働きがダメージを受けている『胃熱』の状態でも口臭が悪化するともいわれています。
そこで、今週は『湿熱・胃熱』を清熱し、胃腸の働きを整える食薬がおすすめです。ということで今週食べるよい食薬は【キャベツとグレープフルーツのマリネ】です。そして、逆にNG行動は【チーズ、カフェラテ、クリーム系など乳製品】です。
食薬ごはん【キャベツとグレープフルーツのマリネ】
グレープフルーツやレモン汁などのほどよい酸味が唾液の分泌を促し、口腔内を乾燥の対策となります。また、キャベジン、ビタミンC、食物繊維が豊富で胃腸の働きを整えたり、清熱に働くことで『湿熱』『胃熱』の改善に役立つ食薬キャベツを活用することで口臭対策を行っていきます。
<材料>
キャベツ 6枚
グレープフルーツ 1/2個
オリーブオイル・レモン汁 各大さじ2
塩・ブラックペッパー 適量
<作り方>
キャベツは千切りにする。グレープフルーツは薄皮を残し、皮をむいたら一口大に切る。ポリ袋にすべての材料をいれ、良く揉んで10分程度おいたら完成。
NG行動【チーズ、カフェラテ、クリーム系など乳製品を摂る】
乳製品には含硫アミノ酸が多く含まれているため、口腔内細菌のエサとなり、口臭の原因となる細菌が増殖し、不快なニオイを発することがあります。口臭が気になるときには、チーズや牛乳、クリーム系のメニューを少し控えてみましょう。同時に噛む回数が少なかったり、口呼吸になったり、ストレスが多かったりしても唾液の分泌は減少し、さらに口臭を強く感じさせてしまうこともあります。1口30回噛むことを目指したり、呼吸の見直しをしたりすることで、対策の強度をあげていきましょう。
マウスウォッシュやガムでその場の対策をすることもできますが、食べるもの、食べ方、生活習慣などの見直しなども一緒に行い、口臭の原因を1つでも多く減らしていけるようにするのがおすすめです。そうすることで、口臭対策だけではなく、健康管理にもつながります。悩みを部分的にとらえるのではなく、カラダ全体の問題と捉え、日々の習慣を見つめなおしてみてはいかがでしょうか。
ほかにも心とカラダを強くするレシピは、『不調がどんどん消えてゆく 食薬ごはん便利帖』(世界文化社)で紹介しています。もっと詳しく知りたい方はぜひご覧ください。
※食薬とは…
『食薬』は、『漢方×腸活×栄養学×遺伝子』という古代と近代の予防医学が融合して出来た古くて新しい理論。経験則から成り立つ漢方医学は、現代の大きく変わる環境や学術レベルの向上など現代の経験も融合し進化し続ける必要があります。
近年急成長する予防医学の分野は漢方医学と非常に親和性が高く、漢方医学の発展に大きく寄与します。漢方医学の良いところは、効果的だけどエビデンスに欠ける部分の可能性も完全否定せずに受け継がれているところです。
ですが、古代とは違い現代ではさまざまな研究が進み明らかになっていることが増えています。『点』としてわかってきていることを『線』とするのが漢方医学だと考えることができます。そうすることで、より具体的な健康管理のためのアドバイスができるようになります。とくに日々選択肢が生じる食事としてアウトプットすることに特化したのが『食薬』です。
Information
大久保 愛 先生
漢方薬剤師、国際中医師。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田で薬草を採りながら育ち、漢方や薬膳に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・美容を学び、日本人初の国際中医美容師を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、未病を治す専門家として活躍。年間2000人以上の漢方相談に応えてきた実績をもとにAIを活用したオンライン漢方・食薬相談システム『クラウドサロン』の開発運営や『食薬アドバイザー』資格養成、食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち」シリーズの展開などを行う。著書『心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売一ヶ月で七万部突破のベストセラーに。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『食薬事典(KADOKAWA)』、「食薬ごはん便利帖(世界文化社)」、「組み合わせ食薬(WAVE出版)」、「食薬スープ(PHP)」など著書多数。
公式LINEアカウント@aika
『1週間に一つずつ 心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。
『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典』(KADOKAWA)
体質改善したい人、PMS、更年期など女性特有の悩みを抱える人へ。漢方×栄養学×腸活を使った「食薬」を“五感”を刺激しつつ楽しく取り入れられる。自分の不調や基礎体温から自分の悩みを検索して、自分にあった今食べるべき食薬がわかる。55の不調解消メソッドを大公開。
©sashimi/Gettyimages
©JGI/Jamie Grill/Gettyimages
文・大久保愛
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