スバル レガシィ ツーリングワゴン/B4 2.0GT DIT新車試乗記 切れ味鋭い、レガシィらしさを最も表現する300馬力DITエンジン【レビュー:スバル】
CORISM / 2012年8月11日 11時11分
300馬力のパワーと4L級の400Nmという大トルクを発揮する2L DITエンジン
レガシィがマイナーチェンジを受け、外観デザインに手を加えるとともに、新世代の水平対向2.5Lエンジン+新CVTを採用することで環境性能と燃費性能を向上させ、2.0Lの直噴ターボ仕様エンジンを搭載して新しい走りを実現し、アイサイトを進化版のバージョン2として安全性を向上させた。
外観デザインは、フロント回りの変更が中心。これまではちょっと笑った顔になっていたのだが、今回の変更でキリリとした力強さを感じさせるものになった。インテリアは電動パーキングブレーキを採用したことでSI-DRIVEのスイッチ位置を変更するなどの改良が加えられた。
2.5Lエンジン+新リニアトロニックの走りも大きく向上しているが、注目されるのは2.0Lの直噴ターボ仕様を搭載した2.0GT DITだろう。
レガシィは1989年のデビュー以来ずっと、2.0Lのターボ仕様エンジンを搭載したGTが人気を集めてきた。それが、2009年5月にデビューした現行モデルでは、2.5Lへの排気量アップによって2.0GTは姿を消して2.5GTに変わっていた。
そこで、今回は改めて2.0GT DITを追加設定したわけだが、このエンジンのスペックが凄い。BRZに搭載されたのと同じFA20型の水平対向エンジンをスバル独自の技術による直噴仕様(トヨタのD4-Sとの違いはポート噴射がなく直噴のみとなることなど)とした上で、インタークーラー付きターボを装着し、221kW(300ps)/5600rpm、400N・m/2000~4800rpmの動力性能を発生する。
このエンジン性能は、2.5GTに搭載される2.5Lターボを上回る実力で、排気量は小さいが2.0GT DITのほうが性能も価格も上に位置する最上級グレードとして位置付けられている。また2.5GTには5速ATが組み合わされているが、2.0GT DITにはリニアトロニックのCVTが組み合わされている。
速さは良いが、今時のクルマらしい環境性能が欲しい
今回は、第二東名の高速道路を中心に試乗したが、余裕の動力性能からクルージングはとても気持ちが良い。アクセルをあまり踏まなくても余裕で走れるので、快適なクルージングが可能だ。
ただ、リニアトロニックとの組み合わせは必ずしも最高とはいえなかった。SIドライブをIモードにして走っていると、追い越しをしようとしてアクセルを踏み込んでも、加速感が感じられないからだ。5速ATように、キックダウンしての加速がないのは妙な走行感覚である。
動力性能が凄いだけに、変速ショックが感じられないだけで、気付くとたちまち制限速度をオーバーするような領域まで滑らかに加速しているのだが、その速さを体感させないのがCVTの特徴である。
そんな不満が出るは分かっているとばかりに、SIドライブもS#にして走るとギア段を刻んで加速していく仕組みが採用されている。これなら走りの実感が味わえるのだが、それはそれでCVTの良さをスポイルする面もあり、ちょっと微妙な印象が残った。
また、走りの性能には十分に優れているが、2.0GT DITは排気ガス基準も燃費基準も達成できていない。今どきのダウンサイジングエンジンは燃費や環境性能を高めながら、動力性能を向上させる必要があるが、今回の仕様はそれに届いていない。
従来からのレガシィユーザーの多くが2.0GTを乗り継いできているので、そうしたユーザーに改めて現行レガシィに乗って欲しいと考えての設定だろう。でも、環境性能で言い訳できない高性能車は、今どきの時代感覚からは外れているように思う。
今回の改良では、シャシーなどにもいろいろと手が加えられていて、スバルらしいまじめなマイナーチェンジが行われている。この2.0GT DITでも、高速レーンチェンジ時の確かなステアリングフィールや安定感のある落ち着いた足回りが印象的だった。
代表グレード | スバル レガシィ ツーリングワゴン2.0GT DIT |
---|---|
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) | 4790×1780×1535mm |
ホイールベース[mm] | 2750mm |
トレッド前/後[mm] | 1530/1535mm |
車両重量[kg] | 1,140kg |
総排気量[cc] | 1998cc |
エンジン最高出力[ps(kw)/rpm] | 300(221)/5600 |
エンジン最大トルク[N・m(kg-m)/rpm] | 400(40.8)/2000-4800 |
ミッション | CVT |
タイヤサイズ | 225/45R18 |
JC08モード燃費 | 12.4km/L |
定員[人] | 5人 |
税込価格[円] | 3,591,000円 |
発売日 | 2012/5/8 |
レポート | 松下 宏 |
写真 | 編集部 |
【関連記事】
- 【スバル レガシィ/アウトバック 試乗記】ハタチになって、身も心もすっかりオトナ! 大きく生まれ変わったNEWレガシィの乗り味とは!?
- スバル車試乗記一覧
- 圧倒的なコストパフォーマンス!【トヨタ アベンシス試乗記】
- 【日産 ジューク ターボ 試乗記】背の高いスポーツカー? 新種のSUVにターボモデルが追加!!
- ついに、新型マツダ アテンザ公開! 減速エネルギー回生システムi-ELOOP(アイ・イーループ)で、ディーゼル車は20km/Lオーバー? 次期アテンザを意識? マツダの低燃費技術スカイアクティブをさらに進化
- 【マツダ アテンザ 試乗記】走りの質感、大幅アップ。あとは・・・
- 長所はあっても欠点はない?【メルセデス・ベンツCクラス試乗記】
- 【アウディ A4/A4アバント 2.0TFSIクワトロ 試乗記】待望の2リッターターボ+クワトロモデル追加! 切れ味抜群のハンドリングに感涙!!
この記事に関連するニュース
-
街に溢れる「スバル車」の“1番人気”ってなに? 「タフ顔SUV」や30年以上続く“ロングセラーモデル”も! 爆売れの「スバル車」トップ3とは?
くるまのニュース / 2025年1月3日 6時40分
-
スバル レヴォーグ/レイバック新車情報・購入ガイド 内外装の小変更と特別仕様車を新投入!
CORISM / 2025年1月1日 19時50分
-
スポーツセダンの国産車・外車のおすすめ車種14選! 選び方やメリットデメリットも合わせて紹介
MōTA / 2024年12月20日 13時30分
-
スバルの高性能セダン、『WRX S4』が一部改良…ホイールやシートの色を変更、ボディには新色
レスポンス / 2024年12月12日 12時0分
-
スバル『レヴォーグ』改良新型が登場…「STI Sport」に特別仕様も新設定
レスポンス / 2024年12月12日 11時0分
ランキング
-
1「SHOGUN」ゴールデングローブ4冠は何が凄いのか 浅野氏のスピーチは「最も誠実なスピーチ」に
東洋経済オンライン / 2025年1月7日 13時0分
-
2日鉄会長「決して諦めない」=USスチール買収、実現へ意欲―中止命令の米大統領ら提訴
時事通信 / 2025年1月7日 16時39分
-
3三井住友銀、初任給「30万円」 4万5000円上げ、人材確保
共同通信 / 2025年1月7日 19時42分
-
4りそな銀、再びネット障害 サイバー攻撃か
共同通信 / 2025年1月7日 19時42分
-
5りそな銀、サイトやアプリで一時接続トラブル…サイバー攻撃か
読売新聞 / 2025年1月7日 21時54分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください