なんとなく気分が晴れない、集中力が落ちている…それ、「5月病」かも ? セルフチェックの方法と対策レシピ
CREA WEB / 2024年4月23日 7時0分
春を迎え、新しい仕事や環境での生活を送っている方、ついつい頑張りすぎていませんか。ストレスを抱えたまま、自分でも気が付かずに頑張り続けることで起きてしまう5月病。疲れが溜まってくるゴールデンウィーク明け頃は、特に注意が必要です。
薬膳では、体を正常に動かし生きるために必要なエネルギーのことを「気」と呼びます。体内に充分に満たされ、滞りなく巡ることで健康を維持できると考えられています。
5月病の症状には、エネルギーである気の不足と、気の巡り不足が関係しています。気が不足すると、疲れやすくなったり、倦怠感を感じたりします。また、気の巡りの悪化では、イライラを感じたり焦燥感にかられたり、気持ちのコントロールが難しくなるのが特徴です。
「5月病」の症状である、これらの項目に思い当たる部分がないか、セルフチェックをしてみましょう。
- ●やる気が出ない
- ●集中力がすぐに落ちてしまう
- ●体が重くだるい
- ●些細なことが気になってしまう
- ●イライラする気持ちがコントロールできない
- ●夜眠りが浅かったり、何度も起きてしまう
- ●朝元気がない
- ●涙が勝手に出てくる
- ●暑くないのに汗が勝手に出てくる
チェックがついた項目がある方は、体と心が頑張りすぎているサインです! 今回ご紹介する薬膳料理を活用しながら、自分をいたわってあげる機会を作りましょう。症状が深刻化する前に、薬膳知識を活用し気持ちのケアをしてみてください。
◆鶏胸肉の塩麹レモン蒸し
体の疲れを感じている方は、脂の少ない鶏胸肉がおすすめです。塩麹で下味をつけることで、しっとり柔らかな仕上がりになりますよ。鶏肉やきのこはエネルギーを補ってくれる食材。消化に負担のかからない、蒸し料理やスープに活用してみましょう。
レモンやキャベツは、気の巡りをアップする食材です。爽やかなレモンの香りは、鬱滞した気持ちのリフレッシュにも効果的ですよ。
●材料(4人前)
・鶏胸肉:200g
・塩麹:大さじ1
・キャベツ:100g
・しめじ:1pc
・レモン:1個
●作り方
(1)鶏胸肉は脂を取り除き、そぎ切りにします。塩麹を全体にまぶし、15分ほど味をなじませます。
(2)キャベツはざく切り、しめじは固い部分を切り落とし、手でさきます。
(3)蒸し器にキャベツ、しめじを広げて入れます。
(4)(1)の鶏肉を全体に広げます。
(5)薄切りにしたレモンを鶏肉の間に挟みます。鍋に湯を沸かし、蒸し器をおいて加熱します。
(6)10分ほど、中火で加熱をしたら完成です。
◆アボカドとクレソンのサラダ
手軽にエネルギー補給ができる卵は、疲れた時に重宝する食材としてよく薬膳でも利用されますが、その中でもうずらの卵はより効果が高いとされています。水煮で販売されている商品もあるので、疲れやすさを感じる方は、毎日少しずつ食べてエネルギーアップを図りましょう。
イライラした気持ちを抑えてくれる効果のあるクレソンは、フレッシュな生野菜として活用してみましょう。セリやセロリも同じような効果があるので、どうしてもイライラが抑えられないと感じる時には、積極的に食事に取り入れてみましょう。
●材料(4人前)
・アボカド:1個
・うずらの卵:6個
・クレソン:50gほど
・塩胡椒:少々
・黒酢:小さじ1
・オリーブオイル:小さじ1
●作り方
(1)鍋に湯を沸騰させ、うずらの卵を入れます。中火で6分加熱します。
(2)水でよく冷やしたら、殻をむいて半割りにします。
(3)アボカドは、ヘタの部分の中心に包丁を入れ、種を一周するように切ります。
(4)種を中心にして、アボカドを割ったら包丁で種を取り除きます。
(5)アボカドは角切りにします。クレソンは食べやすい大きさにざく切りにします。
(6)ボウルにうずらの卵、クレソン、アボカドを入れて混ぜます。塩胡椒、黒酢、オリーブオイルを入れて全体を和えます。
(7)味が馴染んだら、皿に盛りつけて完成です。
◆長芋のポタージュ
長芋は、疲れた体にエネルギーと潤いを与えてくれる優秀食材です。生食よりも、加熱して食べる方が消化に良いとされています。ポタージュにすることで優しい甘みが引き立ち、疲れた心と体を癒してくれますよ。
そのままスープとして楽しんでもいいですし、ショートパスタなどを入れて主食として食べることもおすすめです。クミンや胡椒のスパイシーな香りは、鬱滞した気持ちを解消してくれる効果があります。とはいえ、刺激の強い激辛唐辛子料理などは疲れた体には刺激が強いので、注意しましょう。
●材料(4人前)
・長芋:300g
・玉ねぎ:1個
・バター:10g
・豆乳:300cc
・塩:適量
・胡椒:少々
・クミンパウダー:少々
●作り方
(1)長芋は皮をむいて輪切りにします。玉ねぎは皮をむいたら、薄切りにします。
(2)鍋にバター、玉ねぎを入れて弱火で炒めます。
(3)玉ねぎがしんなりしてきたら、長芋を入れます。長芋がかぶるくらいの水を入れて弱火でゆっくり加熱します。
(4)長芋が柔らかくなり、玉ねぎの甘みが出たら火を止めます。
(5)粗熱が取れたらミキサーでペースト状にし、再び鍋に戻し入れます。豆乳を入れてよく混ぜます。
(6)弱火で加熱をして、塩で味を整えたら器に盛りつけます。仕上げに胡椒、クミンパウダーを飾って完成です。
食べ物でできるセルフケアを活用して「5月病」を解消しよう!
今回ご紹介したメニューは、どれもスーパーで手に入る食材ばかり。こうした食材を体調に合わせて食べるのが「薬膳」です。特別難しい調理法や食材を使用することもありません。毎日のご飯にちょっとした薬膳のエッセンスを取り入れるだけで、日々を元気に過ごせる体作りができますよ!
心の健康は、毎日の食事で作られるといっても過言ではありません。なんだか最近元気が出ない。そう感じることは、日常生活の中でも多々あるでしょう。気持ちの落ち込みは、体からのサイン。このサインを受け取ったら、自分を大事にするひとつの方法としてご活用ください。
さとうあい
宮城県仙台市在住の料理家。フードコーディネーターや学校講師などを通して飲食業界に携わること20年以上。現在は、企業様向けフードコンサルティング事業を行う、motto cooking tableを主宰する傍ら、レシピライターとしても活動中。また、国際中医薬膳師として、アレルギー体質などの不調に悩む子ども達へ、美味しく食べて健康になれる薬膳料理「こども薬膳」を広める活動も行う。
文・撮影=さとうあい
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