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加賀、雲仙、川治、霧島。名湯の地で春のご馳走と食文化を満喫する旅に出かけませんか

CREA WEB / 2024年4月21日 6時0分

温泉旅館「界」が提案する、食文化を楽しむ旅


「界 川治」で提供される「鴨のもうりょう鍋」。合鴨のロース肉を出汁にさっとくぐらせて味わう。

 星野リゾートが全国に展開する温泉旅館ブランド「界」では、「その地域、その季節ならではのおもてなし」を提供している。

 今回は、界が提案する企画のなかでも、料理、お酒、器など、食文化にまつわるプランを紹介したい。


【界 加賀】伝統建築棟に美と歴史を感じる「べんがらラウンジ」オープン

●建築、器、温泉の三冠王


加賀の伝統的な建築手法である紅殻色の格子越しに、開湯1300年の歴史を有する山代温泉の街並みを一望する。

 界 加賀が位置する石川県の山代温泉は、北大路魯山人をはじめとする多くの文化人に愛されてきた。この土地の文化や歴史に想いを馳せ、贅沢なひとときを味わっていただくために、4組限定のラウンジをオープンした。

 ラウンジをオープンする伝統建築棟は、文政年間(1818〜30年)に建築され、有形文化財に登録されている建物。金物を一切使用せず、太い大黒柱と梁だけで組み上げる「枠の内」と呼ばれる伝統的な手法を特徴とする。

 このラウンジの楽しみのひとつは、作家の協力を得て用意した約100種類の器や小物を手に取り、間近に見てから、自身で使うものを選べること。作家の温もりやアイディアが詰まった器で、お酒とおつまみのセットを楽しむことができる。

 また、ラウンジが新設される場所は、「湯の曲輪(ゆのがわ)」と呼ばれる山代温泉の街並みを一望できる特等席。夕食の後は、伝統工芸品に囲まれながら趣のある街並みを眺め、静かな時間を過ごすことができる。


九谷焼や山中塗など、約100種の器から好きなものを選んで、アルコール、北陸の食材を用いたピンチョス、おつまみを楽しむ。写真はジントニックとピンチョス、香の物。

【べんがらラウンジ概要】

期間:2024年3月13日から通年
時間:20:00〜22:30(22:00L.O.)
料金:3,500円(2杯目以降の追加オーダーは700円〜)
定員:4組(キャプ20歳以上の宿泊者限定、予約者以外の見学不可)
予約:要
予約方法:ホームページにて利用前日の16:00まで受付

【界 雲仙】雲仙伝統のお菓子・湯せんぺいの歩みと職人が込めた想いを知るひととき

●島原の歴史が凝縮した湯せんぺい


遠江屋本舗の湯せんぺいの特徴である軽い口どけは、徹底した温度管理によって実現するという。1枚1枚を9丁の金型で手焼きする、職人技を学ぶことができる。

 長崎県の雲仙温泉に伝わる湯せんぺいは、明治初期から作られるようになり、界 雲仙では会席料理にも用いている。雲仙の伝統的なお菓子である湯せんぺいの歴史や雲仙の文化を学ぶと同時に、手焼き体験で職人の技を学ぶことができるのがこの企画。

 参加者はまず、島原半島に3種類の温泉があり、お菓子に適した食塩湯を湯せんぺいに使用していることを学ぶ。湯せんぺいを手焼きしている職人から、せんぺい作りへのこだわり、温泉による味わいの違いなどの話を聞く機会も設けられる。湯せんぺいに使われる温泉を試飲することもできるので、雲仙温泉への理解はさらに深まることになるだろう。

 続いて、遠江屋本舗の焼き場にて、実際に手焼きを体験する。遠江屋本舗は、1枚1枚を手焼きする純1枚手焼き製法を守り続けていることが特徴。職人技を学ぶことで、軽い口どけが実現する理由を知ることができる。

 こうして夕食時に供される湯せんぺいからは、温泉の恵み、雲仙の歴史、匠の技などが詰まった、深い味わいが感じられるはずだ。


小麦粉、砂糖、卵、重曹、温泉水を原料に焼き上げられる湯せんぺいは、ほのかな甘味とサクッとした食感が特徴。明治時代初期に、島原城のお殿様に献上するお菓子として作られたのが始まりだとされる。

【雲仙伝統のお菓子・湯せんぺいの歩みと職人が込めた想いを知るひととき概要】

期間:2024年3月2日〜5月26日/9月7日〜11月30日(土日祝のみ)
時間:チェックイン翌日10:00〜11:30
料金:5,000円(税込、宿泊費別)
定員:各日4名(2名より実施)
予約:要
予約方法:ホームページにて7日前までに予約

【界 川治】鴨のもうりょう鍋会席

●山の幸に恵まれる栃木の豊かな食文化


ジビエや山菜、渓流魚を食するのは栃木の伝統的な食文化。自然の恵みを無駄にしないため、骨や肉を使って出汁を取り、そばを食べる文化もあったという。

 栃木県の川治温泉は、鬼怒川と男鹿川が合流する峡谷に位置する温泉地。かつて県内には1万人以上のマタギが猟を行っていたといい、ジビエのほかに山菜や渓流の川魚などを食べる独自の文化が育まれてきた。

 この地の食文化のひとつに、江戸時代の水炊きの原型になった「もうりょう鍋」があった。これは、鶏を丸ごと茹で、その出汁を楽しんだ鍋料理。栃木で受け継がれてきた食文化と伝統的な料理を組み合わせ、界 川治が新たな料理として考案したのが「鴨のもうりょう鍋」だ。

 この料理は、まず出汁の中に合鴨のもも肉を丸ごと入れた状態で提供される。柔らかいもも肉を堪能した後は、スライスした合鴨のロース肉をさっと出汁にくぐらせて、もも肉との食感や味わいの違いを楽しむ。

 鍋の締めは、「にらそば」。栃木はそばどころとして知られるが、県西部では名産のにらを合わせる食べ方が好まれているという。合鴨や野菜のうま味が凝縮したスープを、最後の一滴まで味わいたい。


「鴨のもうりょう鍋」は、このようなスタイルで提供される。煮込まれたもも肉の後は、合鴨のスライスをこの出汁にくぐらせて堪能する。

【鴨のもうりょう鍋会席概要】

期間:2024年3月1日から通年
料金:2万9,000円(2名1室利用時1名あたり、税・サービス料込、夕朝食付)
予約:要
予約方法:ホームページにて利用日の5日前までに予約

【界 霧島】杜氏から教わる本格焼酎と酒造蔵見学

●原料、器、飲み方など、焼酎の奥深い文化を知る


酒蔵を訪れ、写真の芋切りのほか、仕込み、発酵、蒸留といった焼酎が造られる過程を見学することができる。

 鹿児島県内には、110を超える焼酎の醸造蔵があるという。蔵ごとにこだわりがあり、味わいも異なる。そこで鹿児島の伝統産業である本格焼酎の真髄にふれていただくために、このプランが企画された。

 参加者は、有限会社中村酒造場と、国分酒造株式会社の2つの蔵から、見学先を選ぶことができる。1888年創業の中村酒造は、県内でも3軒だけの石造り蔵のひとつで、手作業ですべての銘柄を仕込んでいる。あらかじめ水と焼酎をなじませて4日寝かせる前割りを、黒千代香(くろじょか)と呼ばれる鹿児島伝統の器で温めて焼酎本来の香りを楽しむ。

 国分酒造は、1970年に10の蔵元が集まって創立した酒造会社。米麹を使わない、業界初の100%の芋焼酎の醸造や、絶滅寸前だった品種の芋を復活させて開発した焼酎など、独自の取り組みで知られる。国分酒造を代表する銘柄である「安田」の水割りや、芋の品種、醸造の手法などが異なる焼酎を飲み比べて、焼酎という文化の奥深さを知ることができる。


鹿児島県に伝わる黒千代香(くろじょか)という器に、水と焼酎を合わせたものを寝かす一種の水割りが、前割りという飲み方。焼酎の味と香りだけでなく、器や飲み方などの焼酎文化をトータルで学ぶことができる。

【杜氏から教わる本格焼酎と酒造蔵見学概要】

期間:2024年4月1日〜2025年3月31日
料金:1名5,000円(税込み/宿泊費別)
定員:1日1名〜5名
予約:要
予約方法:ホームページにて7日前までに予約

文=サトータケシ

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