片渕須直監督、「リンダはチキンがたべたい!」は「僕たちを自由にしてくれる映画」と独創性を評価 来日した監督陣と対談
映画.com / 2024年4月13日 11時0分
セバスチャン:フランスとイタリアは隣り合っていますが、文化的には全く異なると思います。アニメーションについてはフランスの方が圧倒的に制作数が多いです。長編はイタリアではなかなか作れません。フランスではアニメーションの有名な学校もあり、アニメ制作はとても盛んです。今回、かなりの人数のイタリア人のアニメーターが参加していて、制作期間はフランスに住んでもらいました。1人1人のアニメーターにシーンごと全部任せるという形をとったので、1人1人が責任を負う形です。その分、自由な作り方ができたので、途中でこのカットを付け足そうとか、これはやめようとか、そういう変化が常にありました。
例えば、本編の中でヘリコプターが飛んで、俯瞰で団地を見下ろし、カメラが下がっていくと、霧で何も見えなくなるカットがあります。あれは制作が始まって、もう4分の3ぐらい全体ができていた時に、キアラが現場にやってきて、「こういうカットがあったらいいんじゃない?」と提案したものです。もともと絵コンテにも描かれていなかった、そういうアイディアも取り入れられました。
キアラ:でも、セバスチャンには、「いきなりそんなこと言うなんて、自分がリドリー・スコットのような巨匠だとでも思ってるのか?」なんて言われてしまいましたが(笑)。技術的に難しい提案をしたことで、私はアニメーターたちから嫌われたと思います。しかし、制作がスタートしてからすぐだったらもっと早く嫌われていたでしょう(笑)。4分の3時点まで終わっていたので良かったのです。
片渕:あの俯瞰のカットはものすごく大変なのがわかります……(笑)。霧のシーンは、その正体が何であるかということより、団地の広場にいた人たちを全部包み込んで、それまでの人間関係が全部洗い流されて、また新しい人間関係が築かれる瞬間だったのですよね。それまでずっと人々の間にあったカメラアングルが、突然空から別の客観的なアングルになったのは本当に効果的です。あれは必要なカットだったと思います。
キアラ:私は、創作においてはいろんなものがごちゃ混ぜになっていることが面白いと思っています。同録のリアルな音はドキュメンタリー風ですし、そこに完全なイマジネーションも混ざって、夢のシーンもある。こういう風に進むのかな……と思わせて、まったく違うようにレールから外れてしまうような連続が面白いと思って制作に臨んでいます。
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