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アンリアレイジ、服に声を与えた観客体験型のショー。音楽はサカナクション山口一郎【17SSウィメンズ】

FASHION HEADLINE / 2016年9月28日 20時0分

アンリアレイジ17SSウィメンズコレクション

アンリアレイジ(ANREALAGE)がパリコレクション開幕初日の9月27日、パレ・ド・トーキョーで17SSコレクションを発表した。

ファッションショーという枠を超え、斬新なアイデアと独創的な演出で見る者に驚きと感動を与えるアンリアレイジのショーは、シーズンごとに進化を続けている。デザイナー森永邦彦にとって5回目となった今回のパリコレクションは、昨シーズンの「NOISE」とは対極の「SILENCE」がテーマ。招待状にはAR三兄弟が開発した専用アプリケーション「ANREALAGE_AR3」(一般向けには10月3日以降、iPhone/iOS8で無料インストール可能)をダウンロードするよう記載されていた。森永が呈示する「沈黙の中に声を探す。声なき服に耳をすませば。」の言葉の真意は、このアプリケーションに隠されている。

サカナクションの山口一郎が手掛けるBGMに合わせてショーがスタート。自然の中の雑音を音楽にしたかのような胸を高鳴らせるサウンドは、時折無音となり、シャッター音だけが会場を包み込んでいた。白黒のモノクロームのみで構成したコレクションは、コクーンシェイプのボリュームのあるケープや、大胆なスリットが入ったパンツやジャケット、ドレープの美しいロングアンドリーンなドレスやスカートが登場した。アシックス(ASICS)とのコラボレーションで製作したスニーカーは、全体をモードに引き上げるキーアイテム。

ショー終盤、森林や海がプリントされたドレスに、太い黒のブロックに肩を覆われたモデルが、会場内に設置されたiPadの前で足を止めた。専用アプリケーションをドレスにかざすと、森の中や海のさざなみなど、効果音が流れ出すと同時に隠れていたプリント部分が浮かび上がり、視覚と聴覚を使った体験型のショーに仕上げ、観客を楽しませた。

ITと現実世界の境界線を取り払うような独特の世界観で、向上するIT技術によって、人間の感覚も拡張されていくことを呈示。初めて耳にした服の声は、どこか優しくどこか切なくも、確かに前進する森永を後押しするような力強さを持っていた。

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