東京都写真美術館で「アピチャッポン・ウィーラセタクン 亡霊たち」展、作家本人のシンポジウムも開催
FASHION HEADLINE / 2016年12月8日 17時0分
東京・恵比寿の東京都写真美術館では総合開館20周年を記念して12月13日から17年1月29日まで、タイ出身の映像作家で映画監督のアピチャッポン・ウィーラセタクンによる「アピチャッポン・ウィーラセタクン 亡霊たち」展が開催される。
アピチャッポン・ウィーラセタクンは、タイの東北地方の伝説や民話、個人的な森の記憶や夢などを題材にした、写真やフィルム、ビデオ、インスタレーション、長編映画などを制作してきた映像作家。その作品は、淡々とした日常のなかから人間の深淵を浮かび上がらせていくとともに、タイの現代社会に関わる移民や格差、政治などの社会問題にも密接に関わっている。
同展では、目に見えない“亡霊=Ghost”をキーワードに、同館のコレクションを中心とした最新作品を含む23点とアーカイブ作品を展示。キーワードの“亡霊=Ghost”には、写真や映像などのメディアを媒介することで作用する“映像自体が持つ特性”と、政治や歴史の中に潜む“モンスターのような見えざる力”の二つの意味が込められた。
一見薄暗い部屋に窓から陽射しが差し込み、明滅しながら動いていく様子が映し出された初のビデオ作品や、シカゴ美術学校で映画制作の修士課程時代に制作した初期の実験映画、アピチャッポンの日常の中で失われてしまった記憶や、タイ社会の暗部への眼差しが描かれた作品など、様々な映像作品が展開される。また、会期中(~1月5日まで)は当館1階ホールにて、初公開作品を含む「アピチャッポン本人が選ぶ短編集」(全25作品4プログラム)を上映。
さらに、12月18日にはアピチャッポン本人らによる、作品背景の歴史や政治、映像本来に備わっている「不可視性」という問題をテーマに、アジアへの造詣が深い識者との対話を通じ考察するシンポジウムも行われる予定。
【展覧会情報】
「アピチャッポン・ウィーラセタクン 亡霊たち」展
会場:東京都写真美術館 地下1階展示室
住所:東京都目黒区三田1-13-3 恵比寿ガーデンプレイス内
会期:12月13日~17年1月29日
時間:10:00~18:00(木・金曜日は20:00まで、1月2・3日は11:00~18:00まで)
料金:一般600円、学生500円、中高生・65歳以上400円、小学生以下及び、障害者手帳保持者と介護者は無料 ※第3水曜日は65歳以上無料
休館日:月曜日
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