ベルリン・エシカルファッションレポート1/2--アップサイクル根付くベルリン
FASHION HEADLINE / 2014年7月22日 19時0分
ドイツ・ベルリンで7月8日から10日までの3日間、エシカルファッションを扱う見本市(メッセ)が開催された。近年ファッションシーンをにぎわすエシカルファッションだが、自然素材の使用、製造過程における化学物質の不使用、素材の再利用、また労働者の生活の支援(フェアトレード)などをテーマとする新しいファッションのスタイルとして注目を集めている。
同見本市では、カジュアルなストリートファッションを見せる「エシカル ファッションショー・ベルリン」と、ビジネスやパーティー用のハイファッションを見せる「グリーン ショールーム」の二つに会場を分けて開催した。オーガナイザーは、世界最大級の見本市企業として、世界各国で年間約100本の見本市を開催している「メッセフランクフルト GmbH」。
エシカル ファッションショー・ベルリンの会場となったのは、ベルリン中心部のミッテ地区にある、元々は発電所として使用されていた建物。歴史を感じさせる巨大な空間には90組を超えるブランドが世界各地から集まった。
会場では、“アップサイクル”と呼ばれる商品が特に目につく。それは通常、不必要となる素材を用いて新しいものを作り出すことを指す。“リサイクル”と似ているが、異なるのは元の商品より高い価値のものへと変える点。アップサイクルを打ち出す商品の多くは、大量生産の素材を再利用して、世界に一つしかないオリジナルのものへと作り変えられていた。
ベルリンのブランド「サグ+サル(SAG + SAL)」は、工場で印刷の際に使用されるゴムの下地を素材として、クラッチバッグやメッセンジャーバッグを製作する。印刷の跡が残るゴムの下地は通常ではそれ以外の使い道が無い。だが、その模様は一つひとつの商品の個性へと生かされることになる。こうして素材の価値を転換するのが同ブランドの特徴だ。
また、オランダのシューズブランド「オート(OAT)」は、植物の種が埋め込まれており、土に埋めると草花が生えてくるという。もちろん素材には自然に分解されるものを用いており環境に優しい。ゴミ問題を意識した靴だが、本来の用途以外の楽しみ方を加えた、遊び心溢れるものとなっている。
他にも、“フェアトレード”をテーマとするブランドも出展。オーガニックコットンで作られたウィメンズファッション、ベビー服やライフスタイル雑貨を展開する「ピープル・ツリー(People Tree)」は、商品のタグには販売利益の活用法が明記されている。例えば、ネパールで作られたニットの場合、利益の一部がネパールの裁縫学校に寄付され、そこで学ぶ250人の学生や孤児のために活用されるという。これは発展途上国の人々に教育機会を与えることを意味する。つまり商品の購入が社会貢献に繋がることになるのだ。
衣類だけでなく、靴、鞄、アクセサリーと多様性溢れるものとなった同展示会は、多くの人がこうしたファッションを求めていることを訴えるもの。この地でエシカルファッションが身近な存在として根付いていることを証明しているようだ。
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