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夭折した異能のデザイナー・高橋大雅の「応用考古学」というキーワード

FASHION HEADLINE / 2023年2月28日 15時0分

昨年4月に27歳という若さで急逝した「タイガ タカハシ」(2023年AWより「T.T」に改名)のデザイナー、高橋大雅の残したヴィンテージコレクションが京都の「HOSOO GALLERY」で3月12日まで展示されている。

HOSOO GALLERYで行われている「Texture from Textile Vol.2 時間の衣 - 髙橋大雅ヴィンテージ・コレクション」

今回の展示はタイガ タカハシのフラッグシップショップである京都・祇園にある総合芸術空間「T.T」と、建仁寺塔頭両足院で昨年12月に行われた、高橋の現代美術作家としての初の個展「不在のなかの存在」と連動したもの。

髙橋大雅・作品「無限門」 2021, 玄武岩(京都・祇園の総合芸術空間「T.T」1階)
2022年12月に建仁寺塔頭両足院で行われた高橋大雅の個展「不在のなかの存在」

「HOSOO GALLERY」では自身のブランドのプロトタイプとなった1910年〜60年代のアイテムを中心に展示されている。約150点に及ぶ欧米のワークウエアやミリタリーアイテムは、高橋が10代の頃から収集した2000点に及ぶアイテムの一部を同ギャラリーのキュレーターを通して分類。織物の観点から建築史を再考するプロジェクト「Texture from Textile」のVol.2として、20世紀に起きた服飾における美意識の変化を展示している。

HOSOO GALLERYで行われている「Texture from Textile Vol.2 時間の衣 - 髙橋大雅ヴィンテージ・コレクション」
一枚の反物を直線で裁断することにより無駄なく考えられた日本の着物と、資本主義の合理性から大量生産を背景に生み出された欧米のミリタリー、ワークウエア、そしてデニム。それぞれの“マインドの融合”をベースにコレクションを構築したデザイナーとしての高橋の思考を辿ったものだ。

リプロダクトではなく リファイン(洗練)させる


「TaigaTakahashi」SS23コレクション
細尾本社外観

「大雅さんとは何度かお会いしており、彼の”百年先に残っていくもの作り”という考え方が西陣織の機屋を出目とするテキスタイルメーカーである細尾と共通するものを感じました。特に経年変化していくものへの美を『応用考古学』という文脈で説明する彼が、ハイスピードのデジタル社会の中で消費していくイメージで語られる20代の世代から誕生してきたことに時代の変化を感じました」と細尾の細尾真孝社長。同ギャラリーが入る本社ビルは、真孝氏の実弟である建築家・細尾直久氏によって2019年9月にリニューアルされたもの。版築の積層、炭に漆喰を入れて左官職人の刷毛さばきを見せたファサード、金箔を3mmのラインで5階まで張り上げた箔打など、工芸建築と呼ばれる職人技巧の協業によって京都の町並みに新しい景色を与えている。

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