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65歳の父が、「15万円の年金に300万円の貯金があるから、老後は大丈夫」と言っています。子どもとして心配なのですが、本当に大丈夫なのでしょうか…?

ファイナンシャルフィールド / 2023年9月21日 2時20分

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年金受給年齢前後の家族がいると、老後の生活をどうするのか話し合う機会もあるでしょう。   例えば、「毎月15万円年金もらえて貯金も300万円あるから大丈夫」と親から言われた場合、そのまま信じて大丈夫なのか不安になるかもしれません。   そこで本記事では、このように考えている親を信じて老後資金対策を任せて大丈夫なのか、今回は話を分かりやすくするため父親が単身で生活するものと仮定して解説します。

65歳以降に必要な生活資金はいくら?

仮に、「毎月15万円の年金」を受け取れる場合、月間15万円以内で家計のやり繰りができるのかを明確にすることは重要です。もし20万円支出が発生すると5万円の赤字となるため、年金収入のみではいずれ破綻してしまうおそれがあるからです。
 
総務省統計局が公表しているデータによると、65歳以上で単身無職世帯の場合の消費支出は14万3139円、非消費支出は1万2356円です。消費支出と非消費支出を合わせた実支出は15万5495円となります。つまり単身で他に扶養する家族がいなかったとしても毎月15万円以上の実支出が発生する計算です。
 

年金と貯金で生活できる?

収入が15万円、実支出が15万5495円だと差額は5495円の赤字です。
 
さらに消費税などの増税や社会保険料の負担増加など、自分自身で制御するのが困難な内容によって、支出が増える可能性もあります。また、冷蔵庫や洗濯機など生活必需品ともいえる家電製品が突然故障して、買い替えなければならないケースも発生する可能性もあるでしょう。
 
健康に気をつけていても病気やけがをして通院や入院をせざるを得なくなり、治療や薬にかかる出費が増えるかもしれません。自分は健康であっても、親やきょうだいの介護問題が発生するケースも少なくありません。
 
このような万一の事態が発生する可能性がゼロではないことを考えると、場合によっては月の支出が20万円、30万円程度かかるかもしれないと考えて対策することも重要になってくるでしょう。
 

これから必要な対策

仮に、家電製品の買い替えや病気やけがによる通院、薬代などへの対策も含めて毎月20万円かかるとしましょう。年金は毎月15万円もらえる想定のため単純計算で5万円の赤字です。赤字の部分は300万円の預貯金でカバーしなければなりません。
 
年間60万円の赤字が続くと5年で資金が底をついてしまいます。つまり今すぐ生活が破綻することはなくても、5年以内に対策を講じなければ生活が困窮して路頭に迷いかねません。
 
このような事態を防ぐためにも「毎月15万円年金もらえて貯金も300万円あるから大丈夫」と油断するのではなく、できる限り長く働いて「生涯現役」のつもりで年金以外の収入を得ることも選択肢の一つです。
 
「65歳以上は採用されないから厳しい」と諦めている人もいるでしょう。確かに年齢的にも求人が少なく正社員として働くのは難しいかもしれませんが、2021年4月に改正高年齢者雇用安定法が施行され、努力義務とはいえ70歳まで就業機会を確保することが求められるようになりました。
 
パートやアルバイトとして月5万円の収入を確保し、全額預貯金に回すと年間60万円、5年間働くと300万円の貯蓄になります。赤字分の補填や万一の臨時出費への備えができるため、メリットは大きいです。
 

まとめ

今回は、「いまから毎月15万円の年金が受け取れて貯金も300万円あるから老後は大丈夫」と主張する現在65歳の父のことを信じても大丈夫なのか解説しました。
 
いまのままでは収支がギリギリのため、病気やけがなど万一の事態が発生すると対応できなくなるおそれがあります。経済的余裕を確保するだけでなく社会とのつながりを維持する意味でも、できる限り長く働くことも検討するよう提案してみてはいかがでしょうか。

出典

総務省統計局 家計調査報告(家計収支編)2022年(令和4年)平均結果の概要

厚生労働省 改正高年齢者雇用安定法が令和3年4月から施行されました

 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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