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親が亡くなりました。車や家電をもらうと相続税はかかりますか?

ファイナンシャルフィールド / 2024年4月7日 10時0分

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Aさんは、先日お母さまを亡くしました。お父さまはすでに亡くなられており、お母さまはひとり暮らしをしていました。相続人は、Aさんと弟のBさんの2人です。   Aさんは、遺品整理をするために実家を訪れました。実家には、車や家電、衣類、貴金属など物があふれていました。なかには、買ってからそれほどたってない物もあります。   現預金や株券、貴金属などをもらうと相続税がかかると思っていましたが、親が日常生活で使っていた家電や自動車をもらった場合でも、相続税はかかるのでしょうか。

家財道具にも相続税はかかる

相続税は、相続や遺贈により取得した財産にかかります。財産とは、金額を見積もることができる経済的価値のある物や権利、すべてをいいます。他に、産相続遺贈によって取得したとみなされる財産(非課税枠を超えた部分)や、相続開始前7年(令和6年1月1日より前は3年間)の贈与財産、相続時精算課税による贈与も、相続税がかかる財産に含まれます。
 
相続財産の合計額から、葬儀費用や債務などの金額を控除した金額が、基礎控除額(3000万円+600万円×法定相続人の数)を超える場合、相続税の申告・納税が必要になります。
 
Aさんの場合、相続財産の合計額が、3000万円+600万円×2=4200万円を超える場合にかかります。超えなければ相続税はかかりません。もらった物が高価だからかかる、安価だからかからないというものではありません。
 
相続税の申告の際、正しく申告するために『相続税の申告のためのチェックシート』(※)を確認しておきましょう。チェックシートの『相続財産』の区分の中に、「家庭用財産」という項目があります。家庭内の一般動産はここに分類されます。また、自動車や貴金属等については『相続財産』の「その他の財産」に分類されます。
 

相続税がかからない財産

ただし、なかには相続税がかからない財産もあります。以下のものは、相続税がかからない財産のうちの主なものです。

1. 墓地や墓石、仏壇、神を祀る道具など日常礼拝している物(その場合でも、骨董的価値があり、投資の対象や商品として所有している場合は課税されます)
 
2. 宗教、慈善、学術、その他公益を目的とする事業を行う一定の個人が相続や遺贈によって取得した財産で、公益を目的とする事業に使われることが確実なもの
 
3. 条例によって、精神や体に障害のある人またはその人を扶養する人が取得する心身障害者共済制度に基づいて支給される給付金を受ける権利
 
4. 相続によって取得したとみなされる生命保険金のうち、500万円×法定相続人の数までの金額
 
5. 相続によって取得したとみなされる退職手当金のうち、500万円×法定相続人の数までの金額
 
6. 個人で経営している幼稚園の事業に使われていた財産で一定の要件を満たすもの(相続人の誰かが、引き続き運営することが条件です)
 
7. 相続や遺贈によって取得した財産で、相続税の申告期限までに国または地方公共団体や公益を億滴とする事業を行う特定の法人に寄付したもの、あるいは、特定の公益信託の信託財産とするために支出したもの

 
(出典:国税庁「No.4108 相続税がかからない財産」)

 

どのように評価をするの?

では、家にある物の値段は、どのように付けたら良いのでしょうか。
 
どのように財産を評価するかは、財産評価基本通達によって定められています。原則として、財産の価格は相続開始の時の「時価」によるものとし、その財産の価格に影響をおよぼすすべての事情を考慮するとされています(財産評価基本通達1条)。
 
家にある物で一般動産の評価単位は、原則、1個または1組ごとに評価されます。ただし、1個や1組の価格が5万円以下の場合、例えば1式30万円のように、1世帯ごとに評価できます(財産評価基本通達128条)。
 
一般動産の価格は、売買実例価格、精通者意見価格等を合わせて参考にして評価をするのが原則です(買取価格、流通価格、専門家の鑑定など)。
 
もし、売買実例価格、精通者意見価格等が分からない場合は、同種や同類、同規格の新品の小売価格から、製造の時期から課税時期までの期間(年未満の端数は1年に切り上げ)の償却費の額の合計額、または減価の額を控除した金額により評価します(財産評価基本通達129条)(償却の額の計算については、財産評価基本通達130条)。
 
例えば、テレビ(取得価格25万円)の場合の減価償却額は、耐用年数5年、償却率0.4、改訂償却率0.5、保証率0.108より、償却補償額は250万円×0.108=2万7000円です。

1年目 25万円×0.4=10万円         
2年目 (25万円―10万円)×0.4=6万円 
3年目 (25万円―16万円)×0.4=3万6000円  
4年目 (25万円―19万6000円)×0.4=2万1600円<2万7000円により、改訂取得額×改訂償却率により算出する(25万円―19万6000円)×0.5=2万7000円
5年目 2万6999円 機首帳簿価格―1<改訂取得価格×0.5

これより、評価額は、取得時は25万円でも、1年で15万円、2年で9万円、3年で5.4万円のように、経過年数により下がります。
 

まとめ

相続財産の評価は財産評価基本通達により評価します。原則、相続開始時の時価です。また、この通達により評価することが不適当ではと思われる財産の評価は、国税庁長官の指示を受けて評価します。
 
相続税の申告が必要な場合、相続の開始を知った日(被相続人の死亡の日)の翌日から10ヶ月目の日が申告期限です。チェックシートで確認し、正しい申告を心がけましょう。
詳細は、国税庁のホームページをご覧ください。
 
(※)国税庁 相続税の申告のためのチェックシート(令和5年1月以降提出用)
 

出典

国税庁 法令解釈通達 財産評価
国税庁 法令解釈通達 第1章 総則 (評価の原則)
国税庁 法令解釈通達 第6章 動産 第1節 一般動産
国税庁 主な減価償却資産の耐用年数表
国税庁 減価償却資産の償却率等表
国税庁 No.4105 相続税がかかる財産
国税庁 No.4108 相続税がかからない財産
 
執筆者:林智慮
CFP(R)認定者

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