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退職金「2000万円」があっても、「老後2000万円問題」は解決できない!? 老後の生活費はいくら必要なの? 夫婦2人の生活費をもとにシミュレーション

ファイナンシャルフィールド / 2024年4月30日 5時20分

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一時期話題になった「老後2000万円問題」とは、夫婦で65歳から95歳までの30年間生活する場合、年金収入だけでは2000万円が不足する、というものです。そのため、退職金が2000万円だったとすると老後2000万円問題も解決しているように思えます。しかし、実際の平均の消費支出を考えると2000万円の貯蓄があったとしても生活費が足らない場合があるため、注意が必要です。   そこで本記事では、平均的な収入と貯蓄2000万円の夫婦が平均消費支出で30年間生活した場合にいくら生活費が足りないのかについて解説していきます。

2人以上世帯の平均支出は?

総務省統計局の「家計調査年報(家計収支編)2022年(令和4年)家計の概要」では、65歳以上の無職世帯(2人以上世帯)の収入や消費支出について調査しています。この調査によると、65歳から69歳の消費支出は月28万10円、70歳から74歳は月24万9589円、75歳以上は月22万810円です。
 

65歳以上の夫婦2人の平均収入は?

65歳以上の無職世帯(2人以上世帯)の実収入は、65歳から69歳が月27万7757円、70歳から74歳が月25万8359円、75歳以上が月23万5223円です。しかし、実際の手取り額は税金や社会保険料が引かれてしまうのでこれより少なくなります。
 
そこで、非消費支出を差し引いた可処分所得を確認すると、65歳から69歳が月23万7121円、70歳から74歳が月22万4737円、75歳以上が月20万5544円です。
 

平均支出と標準的な年金額から考えるといくら足りない?

平均的な消費支出と可処分所得を基に65歳から95歳までの30年間でいくら生活費が足りないのか計算します。まず、65歳から69歳までは月28万10円の消費支出なので、4万2889円の不足です。年間では51万4668円が足りず、5年間で257万3340円が不足します。
 
次に70歳から74歳までは月に24万9589円の支出なので、2万4852円が毎月足りません。年間では29万8224円では足りないことになります。5年間では149万1120円が年金収入以外で必要です。
 
最後に75歳以上では22万810円の支出で、1万5266円が不足します。年間では18万3192円が足りません。これを20年間なので366万3840円が不足することになります。
 
これらすべてを合計すると、772万8300円です。平均支出と平均の可処分所得から計算した場合は、手取りの収入から約770万円が不足します。しかし、貯蓄が2000万円あれば取り崩すことで生活できそうです。
 

ゆとりのある老後生活を送るためには2000万円では足りない可能性も

平均支出と平均の可処分所得から考えると、貯蓄が2000万円あれば夫婦2人で95歳まで生活することが可能のようです。しかし、「ゆとりのある老後生活」を送りたい場合は2000万円の貯蓄だけでは足りない可能性があります。
 
生命保険文化センターの調査によると、ゆとりある老後生活費は平均37万9000円です。平均の可処分所得から月に約10万円も多く生活費が必要になります。月に10万円支出が多くなると考えると、年間で120万円、30年間だと3600万円がさらに必要です。そのため、貯蓄2000万円を取り崩しても不足してしまいます。
 
老後の生活を考えるためには、どのような生活をしたいかをシミュレーションすることが大切です。月にいくらの生活費が必要なのかを家族で話し合い、どのような老後生活を送りたいか考えてみましょう。
 

出典

総務省統計局 家計調査年報(家計収支編)2022年(令和4年)家計の概要
公益財団法人生命保険文化センター 老後の生活費はいくらくらい必要と考える?
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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