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職場のウォーターサーバーから水筒に水をうつして毎日2L近く持ち帰っています。「給与から引く」と言われてしまったのですが、払う必要はありますか?

ファイナンシャルフィールド / 2024年5月17日 5時40分

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会社が従業員用に用意したウォーターサーバーは、基本的に業務中に従業員が水分を補給するために用意されていますが、自宅用として持ち帰る人もいるようです。   そこで今回は、職場のウォーターサーバーの水を持ち帰った場合の処分について解説します。

許可を得ていないなら払う必要がある

結論からいうと、職場のウォーターサーバーの水を許可なく自宅に持ち帰って飲んでいる場合は、従業員は飲んだ分に相当する金額を払う必要があると考えられます。職場のウォーターサーバーは、あくまで業務に必要な備品として設置されているものです。そのため、業務と関係ない目的で使用するのは「横領」に該当するといえるでしょう。
 

ウォーターサーバーの所有権は会社にある

そもそも会社に置いてある備品は、本人が持参したもの以外は会社に所有権があります。民法第二百六条では、「所有者は、法令の制限内において、自由にその所有物の使用、収益及び処分をする権利を有する」と定められています。
 
そのため会社に所属しているからといって、会社のものを持ち帰っていいわけではありません。備品の持ち帰りに関してなんらかの規定が定められているなら問題ありませんが、特に記載がない場合は会社の許可が必要です。
 
例えば会社が支給したハサミやメモ帳、クリアファイルも備品に含まれます。ただし、業務目的で持ち帰る場合は、処罰対象ではない可能性が高いでしょう。
 
例えば、残りの業務を自宅で進める場合に必要な資料をクリアファイルにまとめて持ち帰るのは問題ないと考えられます。ただし、ウォーターサーバーの水を業務と関連付けるのは難しいでしょう。
 

業務上横領罪に問われる可能性も

会社の備品を許可なく持ち帰る行為は、最悪の場合「業務上横領罪」に問われる可能性も考慮しなければなりません。刑法第二百五十三条に該当する違法行為なので、「十年以下の懲役」が科せられる可能性があります。
 
また会社の備品に限らず、会社が捨てるつもりで放置してあるものに関しても罪に問われる可能性があります。例えば、会社がハサミを新調して古いものを捨てる場合、捨てるハサミを許可なく持ち帰った場合には、刑法第二百五十四条「遺失物等横領罪」が適用される可能性があります。
 
基本的に会社のものは、許可なく持ち帰ると罪や処罰が下される可能性があると覚えておきましょう。
 

会社側の「給与から引く」は正しい判断か

今回のケースでは、会社側が下した判断は「給与から引く」です。しかし、この判断が正しい処置なのか気になる人もいるでしょう。そこで、会社の備品を持ち帰ったことによる処罰や賠償について解説します。
 

民事上は損害賠償の請求が正しい

会社側の措置として、今回のケースは「給料から引く」ということですが、これに関しては正しくない可能性があります。民事上では、「損害賠償の請求」が適切と考えられます。
 
なぜなら、労働基準法第24条において「賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を、毎月1回以上、一定期日を定めて支払わなければならない」と定められており、原則として天引きが認められないからです。
 

上司も責任を問われる可能性がある

従業員が会社の備品を不当に持ち帰った場合、その管理者である上司も監督不行き届きとして処罰される可能性があります。上司の処罰は会社の上層部や社長が判断を下しますが、横領の規模次第では責任を問われる場合もあるでしょう。
 

ウォーターサーバーは職場だけで使おう

職場のウォーターサーバーは、従業員が業務中に使う目的で設置されたものです。例え水であっても所有権は会社に帰属するため、原則として持ち帰りは禁止されています。最悪の場合、懲戒処分や業務上横領罪に問われる可能性もあるため、避けたほうがよいでしょう。
 

出典

e-Gov 法令検索 明治四十年法律第四十五号 刑法
e-Gov 法令検索 明治二十九年法律第八十九号 民法
厚生労働省 労働基準法第24条(賃金の支払)について
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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