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生命保険のキホン 契約者貸付を利用したら、満期保険金や死亡保険金の課税関係はどうなる?

ファイナンシャルフィールド / 2020年7月9日 23時10分

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新型コロナウイルス感染症の影響で収入が激減し、収入減を補うために生命保険の契約者貸付を利用した方もいるのではないでしょうか。契約者貸付を利用した場合、その後、満期保険金や死亡保険金を受け取った場合、課税関係はどうなるのでしょうか。

契約者貸付とは

契約者貸付は、契約している生命保険の解約返戻金の一定範囲内で、保険会社から貸付を受けることができる制度です。貸付金には所定の利息(複利)がつきます。なお、現在、新型コロナウイルス感染症の影響を受けている契約者を対象に年利0.0%の特別金利が適用されています。
 
一般的に貸付金は、その全部または一部をいつでも返済できます。ただし、貸付金の元利金が解約返戻金を超えた場合、保険契約は失効してしまいますので注意しましょう。
 
また、未返済のまま満期を迎えたり、被保険者が死亡したりしたときは、満期保険金や死亡保険金から、その元金と利息が差し引かれます。

保険金受取時の課税関係の基本的な考え方

生命保険は出口課税です。契約者貸付を受けた段階では課税関係は生じません。その後、保険金等を受け取ったときに課税されます。生命保険にかかる税金は、所得税、贈与税、相続税です。どの税金が課税されるかは、契約形態(契約者・被保険者・受取人の関係)により決まります。
 
例えば、死亡保険金を受け取った場合、保険料負担者(通常は契約者)と被保険者が同一人であれば、受け取った死亡保険金は相続税の課税対象となります。
 
保険料負担者(通常は契約者)と被保険者が異なる場合、保険料負担者と受取人が同一人であれば所得税(一時所得)、異なれば贈与税が課税されます。
 
同様に、満期保険金を受け取った場合、保険料負担者と受取人が同一人であれば所得税(一時所得)、異なれば贈与税が課税されます。
 
なお、所得税が課税される契約形態で、5年満期一時払養老保険などの満期保険金を受け取ったときは、一時所得ではなく、差益に対し源泉徴収だけで納税が完了する源泉分離課税です。

契約者貸付と税金

契約者貸付制度を利用している生命保険が満期になり、保険金を受け取った場合、貸付を受けた金額と利息が差し引かれます。満期保険金(死亡)保険金2000万円、契約者貸付金350万円、払込保険料総額1000万円の設例で考えてみましょう。

保険料負担者である契約者と受取人は夫であるケース

この場合は、保険契約者と満期保険金の受取人が同一人ですので、受け取った金額は一時所得の対象となります。一時所得の計算は、契約者貸付はなかったものとして精算前の満期保険金で計算します。
 
すなわち、(満期保険金2000万円 - 払込保険料1000万円 - 特別控除額50万円)×50%が課税対象額です。

保険料負担者である契約者(夫)と受取人(妻)が異なるケース

(1)妻が受け取る満期保険金は、契約者貸付金を差し引いた実際の受取額が贈与税の課税対象になります。
すなわち、満期保険金2000万円 - 契約者貸付金300万円 - 贈与税の基礎控除額110万円が贈与税の課税対象額です。
 
(2)夫が受け取った契約者貸付金は一時所得になります。
すなわち、{ 契約者貸付金300万円 - 収入を得るために支出した金額(払込保険料×契約者貸付金/満期保険金)175万円 - 特別控除額50万円 }×50%が課税対象額です。

最後に死亡保険金を受け取ったケース

妻が受け取る死亡保険金(契約者貸付金を差し引いた実際の受取額)は、相続税の課税対象となります。
 
執筆者:新美昌也
ファイナンシャル・プランナー

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