松井秀喜氏「英語は勉強したほうがいい」 海外生活20年で実感…被災地の子どもに金言
Full-Count / 2024年5月7日 7時30分
■生まれ故郷の石川県能美市で子ども約150人を熱血指導
被災地への思いを吐露した。かつて巨人、ヤンキースなどで活躍した松井秀喜氏(ヤンキースGM付特別アドバイザー)は5日、生まれ故郷の石川県能美市で行われた青少年参加型イベント「PLAY BALL in ISHIKAWA」に参加。1月の能登半島地震で被害が深刻だったとされる同県珠洲市、輪島市、七尾市など能登地区に住む子どもたち約150人を招き、野球指導などを行った。
「最初に能登を訪れたのは就学前、祖父母に連れていってもらった時だったと思います」と松井氏は記憶をたどる。「少年野球や(小学生時代に取り組んでいた)柔道の試合でも能登へ行きましたし、小学校の修学旅行も能登でした。朝市を歩きましたし、珠洲の灯台、見附島、のとじま水族館にも行きましたね」と振り返り、「震災で自分の記憶にある街並みが酷い状態になってしまったことはショックでした」と改めて語った。
「まだ大変な生活を強いられているお子さんも、たくさんいると思います。私はみなさんが頑張る姿を応援することしかできない」というもどかしい思いもある。
だからこそ、なのだろう。30度近い暑さに見舞われたこの日、松井氏は汗だくになりながら、「午前の部」では未就学児童約100人、「午後の部」では小学生の野球・ソフトボール経験者約50人を熱血指導。両方で自身のフリー打撃を披露し、「午前の部」では26スイング目、「午後の部」では10スイング目に右翼へ柵越えを放ってみせた。
実際には、手応えのあった打球が何度もフェンス際で失速していた。今年6月12日に50歳となるだけに、さすがの“ゴジラ”も肉体の衰えを感じている。それでも生のスイングを見せ、生の打球音を聞かせることにこだわる。「今日はどうしても、ホームランを見て帰ってほしかった。(柵越えが)出るまで打とうと思っていました。被災された皆さんの明日からの新たなエネルギーになれたら、うれしいです」と感慨深げだった。
■アメリカ生活20年「小さい時から英語を勉強しておいた方がいい」
質問コーナーで小学生から「日本のプロ野球やメジャーで、強いと思った選手は誰?」と聞かれると、「(デレク・)ジーターって、聞いたことある?」とヤンキース時代の同い年のチームメートの名前を挙げたが、子どもたちは無反応。ヤンキースの主将も務めたスタープレーヤーだが、引退して久しい。松井氏は「ないか、もう」と苦笑し、「時代によって違うからね。今は大谷(翔平投手)くんとか、山本(由伸投手)くんとか、現役メジャーリーガーとして頑張っている選手がたくさんいる。彼らを目指して頑張ってください」と呼びかけた。
また、「英語はペラペラですか?」と質問されると、「(2003年のヤンキース移籍以降)もうアメリカに20年いるので、多少はしゃべれます」。そして「1つアドバイスするね。小さい時から英語を勉強しておいた方がいい。これからの時代は、海外で活躍する人がたくさんいるだろうからね」と提言した。
米ニューヨーク在住の松井氏自身は、子どもたちを日本人学校などではなく、地元の幼稚園や学校に通わせ、家庭では日本語を使用して、バイリンガルとして育てているそうだ。
「今日に関しては(震災の影響を)全く感じさせず、子どもたちからエネルギーがひしひしと伝わってきました」と笑顔を残して会場をあとにした松井氏。現役引退から10年以上が過ぎても、人々を思いやる気持ちは変わらない。(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)
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