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開会式の長スピーチ「リスクしかない」 炎天下で直立不動…試合への調整「しんどい」

Full-Count / 2024年5月19日 7時50分

猛暑での長時間セレモニーは選手への大きな負担に(写真はイメージ)

■野球大会のセレモニーで体調崩す選手も…大人の事情あれど「主役は子どもたち」

 高校野球では今夏の選手権大会から、新たな暑さ対策として午前と夕方に分けて試合を行う2部制を導入することが決まった。選手たちの疲労を考慮した取り組みだが、野球の大会では試合以外にも見直す点はある。その1つが、開会式などのセレモニーでのスピーチだ。中学硬式の強豪、関メディベースボール学院の井戸伸年総監督は、「選手にはベストコンディションでプレーしてもらいたい」と口にする。

 野球の大会では入場行進を終えると、役員たちがスピーチを行うのが恒例行事となっている。炎天下のなか、立ちっぱなしの選手たちは、時に体調不良で倒れる光景も珍しくない。甲子園では選手たちが、あらかじめ配布されたペットボトルをポケットに入れて行進し、整列した後には1分間の水分補給タイムが設けられている程だ。

 ポニーリーグで理事も務める井戸総監督は「何を主に考えているかが大事。主役は子どもたち。せっかくの晴れ舞台で試合前に体調を崩したとなれば、何をしに来たかわからない」と指摘する。特に開幕戦を戦うチームは、開会式後にコンディションを整えることになるため、試合に向けた準備が難しいという。

「ほとんどのチームは開幕戦を引きたくないと思っている。開会式前にアップをして、約1時間のセレモニーで体は一度、ゼロの状態に戻ってしまいます。その後に再び試合に向けて体を整えるのは正直、しんどいですよね。誰しもが開幕戦を想定して準備はしていない。猛暑なら何もしなくても体力は消耗しますし、選手の負担は大きい。長時間のセレモニーはリスクしかないと思います」


開・閉会式を夜に行うなどの運営の工夫が必要【写真:片倉尚文】

■ポニーリーグでは2022年から夏の大会開会式をナイター実施

 もちろん、大きな大会には役員やスポンサーの力がないと運営は成り立たない。井戸総監督も運営に関わる立場を兼務しているからこそ、“大人の事情”は理解している。

 その点、ポニーリーグでは2022年から夏の全国大会の開会式をナイターで行っている。遠方から参加するチームは前日に現地入りしていることに目を付け、その日は開会式だけで試合は翌日からスタートさせている。

 野球人口の減少を止めるには大人たちが、一致団結して今後の将来を見据えなければいけない。過去のしきたりや、固定観念を捨て、“選手ファースト”を考えることが必要だ。「開会式に限っていえば、バッテリーだけは別行動で試合の準備を進めるとか。まずはやってみることが必要なのではないでしょうか」と井戸総監督。今後も、選手の力を存分に発揮できる大会運営を提案していく。(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)

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