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あるゲーム会社の悲劇。面白いゲームを基本無料にしたら今までのファンも金を払わなくなった。

ガジェット通信 / 2012年11月19日 18時0分

あるゲーム会社の悲劇。面白いゲームを基本無料にしたら今までのファンも金を払わなくなった。

今回は『iphone Game Cast』さんからご寄稿いただきました。

■あるゲーム会社の悲劇。面白いゲームを基本無料にしたら今までのファンも金を払わなくなった。

punch-quest

少し前のPocket Gamerの記事*1 ですごく悲しいニュースが流れていた。

無料なのに楽しめる(これは無料なりではなく、本当の意味で楽しめるということだ)コンボアクションゲーム『Punch Quest』*2 が50万DLを達成したにもかかわらず、まったく儲かっていないというのだ!

一体、何があったのだろうか。

*1: 「‘Almost nobody' is paying for critically-acclaimed Punch Quest」 2012年10月30日 『Pocket Gamer』

http://www.pocketgamer.co.uk/r/iPhone/Punch+Quest/news.asp?c=46200

*2 : 「レビュー:Punch Quest コンボを繋げてハイスコアを目指せ!アーケード世代におすすめのアクション」 2012年10月26日 『iphone Game Cast』

http://www.gamecast-blog.com/archives/65715872.html

この『Punch Quest』だが、ゲームキャストでは課金について「ゲーム内通貨(通常プレイで十分手に入る)」と評価している。

通常プレイをするにおいて、普通にプレイしていけばゲームに必要な物はほぼ全て買えてしまう。

おまけの外見が変わるだけのアイテムはお金を払わなければすぐには買えないが、ハマっているプレイヤーならいずれ買える。

メーカーに基本無料でお金を払ってもらうノウハウがなかったからこうなったというところもあるのだが、「面白かったからお金を払いたいなぁ」と思わない限り、まったく購入する動機がないし広告もないゲームが出来上がった。

punch-quest2

(技は安いのでプレイしているうちに揃う。)

結果的にゲーマーが言うところの「面白かったら金を払うよ」に期待するしかないゲームになったわけだが、実際に基本無料にしてみたら今までお金を払ってくれたファンすらも金を払わなくなってしまったという。

その結果、ゲームをプレイして実際にお金を払ったプレイヤーは全体の0.1%。

つまり500人。

言っておくが「ゲームが金を払うほどのものではなかったから」という話ではない。

私は Rocket Cat Games のファンで、すべてのゲームをプレイしているけどもつまらないゲームは1つもない。

上達するほどにスコアが伸びるスキルベースのゲームで「ソーシャルはお金を出せばクリアできるし、つまらないよね」の反対を行く、アーケードスタイルのゲーマー向けならピカイチだろう。

上記は主観的な話だが、実際にUSのレビューを見るとストアでもレビューサイトでも評価の平均点は非常に高いので、客観的に見ても評価の高いものを提供しているといって差し支えないだろう。

punch-quest3

つまり、内容的には「最近のゲームは金でスキルを買うから努力する価値がない」とか、「面白いけども広告をタッチすることがあるのが気になります。」などと話しているゲーマー(自分もそうだが…)にどストライクのゲームを投げ込んだことになるが、そういったプレイヤーがそのまま満足する仕組みはまったく金にならなかったわけだ。

メーカーの評判が悪いわけでもない。

このメーカーは「リリース後の値下げ」「後からインフレアイテムを出してプレイヤーの努力が水の泡」などのネットで非難されやすい商売方法は一切行わないし、売れたら売れただけアップデートを行うクリーンなイメージのメーカーでもある。

クリーンなメーカーでも、今までのゲーマーの要望に沿う面白いゲームを出したからといって、それに金を払うゲーマーなどほとんどいないということが証明されてしまった。

もちろん、冷静に考えてみればわかりきっていることだが、無料にしても金を払う意味がある仕組みにしないでは儲かるわけがない。

「無料でラッキー」で終わりだ。

メーカーでは「金を払ってもらえる仕組みではなかった」ことが原因と理解しており、金を払って購入するアイテムを増やすとのこと。

しかし、「金を払う意味がある仕組み」にすればゲームは変質するし、あの面白いゲームは自分好みのゲームではなくなっていくのだろう。

海外でも有料ゲームはだんだんと利益が出なくなりつつある。

つまり、基本無料にながれてゲームが変質していく流れは止まらない。

有料ゲームが売れなくなり、基本無料に対してネット上であがる不満に究極的に対応したゲームが出ても儲からない。

つまり、このニュースは「もう、昔のような時代は戻ってこない」という事実を示している。

旧ゲーマーな自分は、これに寂しさを感じてしまった。

最後に。

せっかくなので良ければこのメーカーのゲームを試してみて欲しい。

下記にレビューしたものを全て紹介しておく。

カジュアルなアクション(入門用におすすめ)*3

*3 : 「レビュー:小粒だが楽しいホックアクション Hook Worlds」 2010年12月28日 『iphone Game Cast』

http://www.gamecast-blog.com/archives/65451431.html

マリオ的な面白さ、Hook Worldsのボリューム増えた版(ガッツリやりたい人に)*4

*4 : 「傑作レース系フックアクション Super Quickhook」 2010年08月15日 『iphone Game Cast』

http://www.gamecast-blog.com/archives/65373622.html

昔風の骨太アクション(FC時代のアクションゲーマーにおすすめ)*5

*5 : 「レビュー:Mage Gauntlet」 2011年10月22日 『iphone Game Cast』

http://www.gamecast-blog.com/archives/65621985.html

カジュアルラン系コンボアクション(アーケードでハイスコアを出すのが好きなタイプの人に)*6

*6 : 「レビュー:Punch Quest コンボを繋げてハイスコアを目指せ!アーケード世代におすすめのアクション」 2012年10月26日 『iphone Game Cast』

http://www.gamecast-blog.com/archives/65715872.html

編集:2012/11/8 13:30

メーカーがユーザーに文句をいっていたように受け取る方がいたので、追記。

また、誤字・誤リンク修正、文章の意図がより伝わるように少しわかりやすくしました。

「お前も金払ってないんだろ!」というコメントを削除。あまり言う話ではありませんが、投げ銭はしてます。

追記:直接会社の方にこの件についてインタビューしました。

ダウンロード50万、課金者500人のゲームのその後は?Rocket Cat Games ミニインタビュー

http://www.gamecast-blog.com/archives/65718227.html

執筆: この記事は『iphone Game Cast』さんからご寄稿いただきました。



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