[プリンスリーグ関東]8位苦戦の横浜FMユース・佐藤主将「自分たちはもう勝つしかない」

[8.31 高円宮杯プリンスリーグ関東第11節 横浜FMユース 2-2 山梨学院高 日産フィールド小机]

　横浜F・マリノスユースはプリンスリーグ関東で現在10チーム中8位。チームはプレミアリーグ昇格を目指しているが、9位・川崎F U-18、10位・湘南工科大附高との勝ち点差はわずか2で神奈川県リーグ降格の危機も迫ってきている。終了間際の失点で追いつかれたこの日は怪我の影響もあって3年生で先発したのは3人だけ。主将のMF佐藤陸(3年)は「この後、自分たちはもう勝つしかないので、3年生中心に声かけて、3年生を自分が動かして、きょうの試合のことを後輩にどんどん伝えられれば。今3年生はリーダーシップを取れる人が結構いるので、自分がキャプテンとして先頭に立つことは当たり前なんですけど、他の選手にもサポートしてもらいながらやっていきたい」と口にした。

　U-15日本代表、U-16日本代表歴を持つ佐藤はチームのかじ取り役を担うボランチ。「ビルドアップのところで絡んだり、攻守に置いてアグレッシブにやること。自分ではユーティリティだと思っているので守備も全て関わっていきたい。自分はボランチとしては大型な方だと思っている。フィジカル面でもアピールできると思っているし、小3の時から(横浜FM)プライマリーでずっとやってきたので、技術にも自信がある」。チームトップクラスの実績と技術を持つ佐藤だが、ユースチームでは大舞台で勝ち上がっている経験がない。昨年、横浜FMユースが日本一となった日本クラブユース選手権では関東予選でひざの半月板を負傷し、3か月離脱。チームが全国制覇するシーンを悔しい思いも抱きながら見つめていた。また佐藤に代わってボランチとして出場したMF長倉颯はU-17日本代表入り。「去年の夏は悔しかった」と振り返る。

　目標は代表復帰。「もう一回そういう場面でも戦いたい」という178cmの長身ボランチは長期離脱からの復帰後、CBも経験し、そして今年は再びボランチとしてプレーしている。チームは結果が出ていないが、下級生時から出場を続ける佐藤は苦しみながらもひとつの勝利で波に乗って5位まで順位を上げた昨年のプリンスリーグ関東のように、きっかけさえあれば必ず変わると信じている。「最近ではずっと勝ててなくて、戦う姿勢というのをもう1回改めようというのはみんなに伝えました。昇格も可能性はある。波に乗れば行けると思う」。1、2年生の多いチームを他の3年生とともに引っ張り、残留、そして目標の3位以内、プレミアリーグ参入戦進出を果たす。

(取材・文　吉田太郎)