涙滲ませたDF藤春…痛恨OGに「本当に覚えていないくらい」
ゲキサカ / 2016年8月8日 18時22分
[8.7 リオデジャネイロ五輪 B組第2節 日本 2-2 コロンビア マナウス]
試合後の取材エリア。リオデジャネイロ五輪日本代表DF藤春廣輝(G大阪)は鼻をすすり、目に涙を滲ませていた――。
負ければグループリーグ敗退が決まるコロンビア戦。5失点を喫したナイジェリア戦から「責任を押し付けるような交代はしたくない」(手倉森監督)と最終ラインの変更はなく、藤春は左SBのポジションで先発出場を果たした。
この試合に懸ける思いは強かっただろう。ナイジェリア戦では自サイドからの突破を許して得点を奪われるシーンもあったが、体を張って粘り強く対応して自サイドから進入しようとするコロンビアの選手に自由を与えず。攻撃に移っても果敢に敵陣深くまで駆け上がって好機を生み出そうとした。
しかし、結果がついてこなかった。前半34分には左サイドから送られたFW興梠慎三(浦和)のクロスからファーサイドでフリーになるが、ヘディングで合わせたボールはゴール右へと外れる。さらに同36分にはMF遠藤航(浦和)が左サイドに展開したボールをMF中島翔哉(FC東京)がスルーすると、フリーで受けてPA内に進入したがカバーに入ったDFにストップされてシュートまで持ち込めなかった。
そして、1点のリードを許して迎えた後半20分には痛恨のオウンゴールで追加点を献上。右サイドから切れ込んだFWドルラン・パボンのシュートはGK中村航輔(柏)がしのぐが、こぼれ球に反応した藤春がまさかのコントロールミス。「本当に覚えていないくらいの感じで、クリアしようと思ったときには足に当たって…」。右足に当たったボールは、無情にもゴールマウスに吸い込まれてしまった。
後半22分にFW浅野拓磨(アーセナル)、同29分にMF中島翔哉(FC東京)がゴールを奪い、2-2の同点に追い付いて試合終了を迎え、グループリーグ突破の可能性を残した。同35分にピッチを後にしていた藤春は、「皆が最後まで戦ってくれたし、『気にせんでいい』みたいな感じで言ってくれた。まだ望みもあるので、しっかり切り替えて…」と涙を滲ませながら答えた。
まだ、大会が終わったわけではない。挽回のチャンスを残してくれた仲間のためにも、第3節スウェーデン戦での奮起に期待したい。
(取材・文 折戸岳彦)
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