「サッカーをどうしようか考えた」…闘莉王の心を動かした“2人との約束”
ゲキサカ / 2017年1月17日 0時46分
闘将が熱い思いを口にした。昨季限りで名古屋を退団したDF田中マルクス闘莉王は、一時は「サッカーをどうしようか考えた」こともあったようだ。しかし、“2人との約束”を果たすために、京都サンガF.C.への加入を決断した。
15年シーズンで名古屋を退団した闘莉王だったが、昨季、不振にあえぎ降格の危機にさらされていた古巣を救うために、シーズン途中に復帰。18戦未勝利とクラブワースト記録を更新して降格圏に沈んでいたチームは、闘莉王の復帰戦で19戦ぶりの勝利を挙げると、一時は降格圏を脱出。しかし、最終節まで残留争いを繰り広げながらも、リーグ最終戦の湘南戦を1-3で落とし、クラブ史上初のJ2降格が決まった。
「お世話になった人たちのために(名古屋に)帰ってきたけど、最後の最後に湘南に負けて残留できなかった。自分の実力の無さ、ものすごい悔しさ、力の無さを感じた」。シーズン終了後には名古屋からは退団が発表され、ブラジルに帰った闘莉王自身も「目標を達成できなかったショックなのか、サッカーをどうしようか考えていた」という。
だが、岐路に立つ闘莉王の下に2人の男が駆け付ける。それが、京都の野口裕司強化部長と小島卓強化部スカウトだった。「フィールドプレーヤーの精神的な支柱がほしい」(野口強化部長)と2人はブラジルへと飛び、「誠意を見せるしかない」と闘莉王と直接コンタクトを取った。
闘莉王は、そのときのことを振り返る。「僕はサンパウロから車で8時間かかる、ものすごい田舎に住んでいた。そうしたら、野口さんと小島さんが『昼飯を食おう』と誘ってくれた」。野口強化部長と小島強化部スカウトはサンパウロから闘莉王の住む町まで「行く」と伝えたようだが、「ブラジルまで来てくれたのなら、サンパウロまで行きます」と3人はサンパウロで顔を合わせた。
2、3時間、食事をしながら話す中で、闘将の力を必要とした2人は「勝者のメンタリティー、勝ちにこだわる姿勢を植え付けてほしい」「ウチに来てほしいという熱だけは伝えた」。それに対し、「本当に熱い気持ちを持って誘ってくれていると感じた」という闘莉王の心は動かされ始めていた。「『もうサッカーはいいんじゃないか』と思っていたのが、すっかり消えて、この人たちのためにもやってやろうという気持ちになったし、『日本に帰るなら京都に帰ります』と約束した」。
サッカーを諦める可能性もあったのかもしれない。しかし、2人の男の熱意に心を動かされ、「男として2人との約束を果たさないといけないと思った」と京都への加入を決める。新体制発表会見では「皆さんの期待に応えられるように、また京都がJ1で輝けるように全力を尽くしたい」と意気込みを語ると、「『こいつが来て良かったな』と思われるようなシーズンにしたい」と力を込めた。闘将はチームをJ1昇格へと導くために、すべての力を注ぎ込もうとしている。
(取材・文 折戸岳彦)
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