[東京都1部L]全国2位の翌年に予選初戦敗退…國學院久我山は苦難の1年経験も「やることは変わらない」
ゲキサカ / 2017年2月26日 23時28分
[2.26 T1リーグ第2節 國學院久我山高 2-1 東京武蔵野シティFC U-18 國學院大学たまプラーザキャンパスG]
選手権を沸かせ、全国準Vを果たした翌年の16年度は苦難の1年だった。高円宮杯U-18サッカーリーグ東京1部(T1リーグ)は得失点差で2位。全国高校総体予選は1次トーナメントで延長戦の末に駒場高に敗れ、選手権予選は帝京高との初戦を0-1で落として9月に早すぎる敗退が決まった。重圧、そして注目を浴びる中で悔しい1年を過ごした國學院久我山高だが、やるべきことは今年も変わらない。
清水恭孝監督は「久我山というチームは勝っても負けてもやることは変わらないと思っているので。勝ったからと言って次の年やることを変えた訳ではないですし、負けてしまいましたけれども、去年負けたからと言って違うことをやるかと言うとそれもないと思う」。「美しく勝つ」をモットーに、状況判断とポジショニングにこだわって一つひとつ積み上げて行くだけ。それは結果によって左右されるものではない。
昨年が難しい戦いになることは分かっていた。清水監督は「覚悟はあったんですけど、色々なことまで含めてエネルギーに変えてとか、バネに変えてとか、僕自身にも経験がなかったですし、正直チームにもなかったと思う」と分析する。
また、今年の主将で、1年時に全国準Vを経験しているGK平田周(2年)は「やらなきゃとはみんな思っていたと思うんですけど」苦しい試合をひっくり返したり、流れを持ってきたりするパワーを自身も含めて発せられなかったと感じている。「サッカーはスキルとか戦術とかだけじゃないので。勝負において一番大事な部分で欠けていたのかなと思います」
だが、昨年残ったのは悔しい結果だけではない。それは今年に繋がる経験。この日、國學院久我山はなかなか攻撃でリズムを作ることができず、東京武蔵野シティFC U-18に押し込まれる時間帯が続く苦しい試合となった。だが、歓喜も苦難も経験している平田やCB上加世田達也(2年)を中心に乗り越えて、粘り勝った。
それでも平田は指摘する。「きょうも苦しいゲームだったと思うんですけど、もっと負けられない戦いで苦しいゲームが来ると思う。そういう試合で真価が問われると思っているし、それを乗り越えてこそ去年の悔しさを経験した意味があったと言えると思う。もっと苦しい時に何ができるか」。
久我山の歴史において一番の良し悪しを経験できたこと、目の前で見ることができたことは選手たちにとってプラスだ。指揮官は「今年も苦しくて勝てなかったらただの力の無いチームだと思う。準優勝を経験した子もいるし、去年の苦しさを経験した子もいる。彼らが受け止めてくれていれば、ある程度の力をつけてくるんじゃないかと思います」。
全国決勝まで勝ち上がった2年前のチームは、決してスタートが良かった訳ではなかったという。それでも彼らには1年間かけて個々、チームが伸び上がる力を持っていた。同じような成長曲線を描けるかは自分たち次第。久我山らしく、学業も、サッカーも目標に挑戦する姿勢も変わらない。信念を曲げることも、言い訳をすることもない。勝つ難しさと負けることの悔しさの両方を知る國學院久我山が今年、久我山サッカーを貫きながら、強いチームになる。
(取材・文 吉田太郎)
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