著名海外レフェリーも来日したJ序盤戦…JFA審判委が総括「学ぶところがたくさんあった」日本人審判員の課題も
ゲキサカ / 2024年4月9日 20時22分
Jリーグでは今季、日本サッカー協会(JFA)の審判交流プログラムにより、複数の審判員が海外から来日し、J1・J2リーグ戦やルヴァンカップなどの公式戦を担当している。
2月下旬〜3月中旬の開幕期にはエルファス・イスマイル主審(42)らアメリカ出身トリオを招聘。カタールW杯では日本対クロアチア戦など3試合で笛を吹き、決勝戦では第4審を務めた著名主審のJリーグ担当が実現した。また3月上旬から同下旬には今季プレミアリーグデビューを果たしたばかりのスミス・ルイス・ディーン主審(30)らイングランドの若手審判員も来日。Jリーグに新たな風を吹かせている。
今月3日にJFA審判委員会が報道陣向けに開いたレフェリーブリーフィングでは、元国際主審で現JFAレフェリーマネジャーの佐藤隆治氏が交流プログラムの現状を総括。「学ぶところがたくさんあったし、ここは日本と変わらないなというところもあった」と彼らから受けた刺激を口にした。
佐藤氏はブリーフィングの冒頭で、エルファス氏が担当したJ1第2節のFC町田ゼルビア対鹿島アントラーズ戦の映像を紹介。「彼は身長も大きいし、見た目も怖い」とW杯レフェリーの威厳をジョークを交えながら称えつつ、「一番学んだことはマネジメント」だったと明かした。
選手に対して毅然とした態度で接し続けていたエルファス主審だが、注目すべきはバリエーションあふれる選手対応だ。
試合開始直後の接触シーンでは、注意対象の選手をその場にとどまるように厳しく指示した上で、負傷者のケアを行い、当該選手への注意を行ったエルファス主審。ところが前半に起きた別の接触シーンでは、まず抗議する選手に説明を行った後、負傷者のケアに移っており、佐藤氏は「マネジメントがバラエティ豊かで引き出しが多い」と着目した。
そんなエルファス主審は来日中、プロ審判員だけでなく若手審判員とも交流していた様子。「フェーストゥフェースが大事。目を見て話をすることを心がけている」「立ち振る舞いでしっかり演じることが大事」「日本人は真面目で礼儀正しいが、外では弱々しく映ることもある。それでレフェリーのプレゼンスが下がっているんじゃないか」といったマネジメント面でのアドバイスを送ってくれたという。
こうした金言について佐藤氏は「日本人が同じようにしたら同じようになるかというと別問題だが、試合中にここはきっちり話をするというのは大事」と受け止め、他の審判員にも担当試合の映像も共有。今後に向けて「こうしたマネジメントを見て何かを吸収し、自分のやり方で表現できるようにしていければ」と期待を口にした。
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