JFA審判委がJ1序盤戦の警告&退場データ公開…東京ダービーなどの“カード軽減”事案にフォーカス
ゲキサカ / 2024年5月10日 16時4分
日本サッカー協会(JFA)審判委員会は9日、東京都内のJFAハウスでメディア向けのレフェリーブリーフィングを開いた。佐藤隆治JFA審判マネジャーがJ1第10節時点の判定データを紹介。今年の警告・退場に関するデータの特徴として、PKを与える反則でのカード軽減ルールが背景にあると分析し、規定を詳細に説明した。
今季のJ1は昨季から2チーム増えて20チーム制となったため、第10節時点で合計99試合(ACLの関係で横浜FM対柏が未開催)を開催。反則数は2756回で、18チーム制だった昨季の2578回(20チーム制換算で2862回)とほとんど変わらなかった。その一方、警告数は243回(同換算270回)から291回、退場数も14回(同換算16回)から19回とそれぞれやや増加していた。
もっとも扇谷健司審判委員長が「昨年よりもフェアなんじゃないかという印象がある」と述べたように荒れ模様の試合や目立った誤審があったわけではなく、決定的な得点機会の阻止(DOGSO)による退場が昨季の3倍以上にあたる10回起きていることが要因の一つに挙げられる。
DOGSOの判定ではファールの程度は考慮されず、攻撃側の決定的な得点機会を防いだ場合には、軽微なファウルでもレッドーカードが出される規則となっている。佐藤マネジャーはDOGSOの判定基準に変化はないとしながらも、GKが積極的に飛び出すような「攻撃的な守備」を敷くチームが多くなっていることを要因に挙げた。実際、第10節終了時点のDOGSOのうち半数の5回はGKによるものとなっている。
なお、現在の競技規則ではDOGSOの状況でPKを与えた場合、当該競技者が「ボールをプレーしようと試みて、または、ボールに向かうことで(相手競技者に)チャレンジ」したことでの反則ならば、レッドカードの懲戒罰が軽減されて警告(イエローカード)となる。またイエローカードにあたる大きなチャンスを阻止(SPA)し、PKを与えたならば、そこでも懲戒罰が軽減されてノーカードとなる。
このルールに関しては、昨季までは「ボールをプレーしようと試みた」場合にのみ、軽減ルールが設けられていたが、今季からは「ボールに向かうことで(相手競技者に)チャレンジ」した場合にも軽減にあたることが明記され、適用例が一部拡大していた。そのため佐藤マネジャーはこのルールが警告数の増加につながっているという見解を示し、あわせてDOGSOでPKを与えたことによる警告が昨季の1回から5回に増加していることを紹介した。
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