肥満症の特効薬は睡眠時無呼吸症候群も治す…発売元の製薬会社が発表(シェリーめぐみ)
日刊ゲンダイ ヘルスケア / 2024年5月4日 9時26分
【ニューヨークからお届けします】
肥満症の特効薬「ゼップバウンド」が、睡眠時無呼吸症候群の症状も軽減すると、発売元のイーライリリー社が発表し、大きなニュースになっています。
睡眠時無呼吸症候群は、中等度では少なくとも1時間に15回呼吸が停止します。そのため十分な睡眠をとるのが難しく、高血圧、心臓病、糖尿病、脳卒中、認知症などのリスクが高まると考えられています。治療法としては、CPAPと呼ばれる装置で、睡眠中に鼻からチューブで空気を送り込むのが一般的です。
アメリカでは2000万人もの人が、睡眠時無呼吸症候群に悩んでいると推定されています。しかし多くが症状に気づいていないことも、大きな問題になっています。
イーライリリー社は今回、CPAPを使用していた肥満症または太り過ぎの200人に対して治験を行いました。その結果薬を投与された患者は、呼吸が止まる回数が1時間当たり平均27.4回減少。それに対しプラシーボのグループでの減少は、わずか4.8回にとどまりました。
関係者が驚いたのはこの劇的な効果だけではありません。
実はこの薬ゼップバウンドは、昨年11月に認可された肥満の特効薬です。元々は糖尿病薬だったのが、薬だけで体重を最高2割も減らせることがわかり、医学のブレイクスルーとして、競合他社のオゼンピックやウゴービなどと共に大きな話題になりました。
ではなぜ肥満の特効薬が睡眠時無呼吸症候群にも効果があるのでしょうか?
肥満症の人は鼻や舌にも脂肪が沈着しています。首も脂肪で気道が狭くなり、大きくなった舌が酸素の流れを妨げることもわかっています。そこで体重を減らせば、閉塞性の睡眠時無呼吸症候群は減るだろうと推測されていました。しかしこれまでは手術を受けない限り大幅な減量はほぼ不可能で、この仮説も実証できなかったそうです。
今回の発表が、肥満だけでなく、閉塞性の睡眠時無呼吸症候群に悩む人への朗報であることは間違いなさそうです。
(シェリーめぐみ/ジャーナリスト、ミレニアル・Z世代評論家)
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