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立ち上がる時、両ひざ下がビリビリ、チクチク、ジンジンして…【ひどい腰痛も8割治る】

日刊ゲンダイ ヘルスケア / 2024年5月15日 9時26分

【ひどい腰痛も8割治る】#15

「ゆっくりなら歩けるんですけど、特にトイレ掃除でしゃがみこんだ時や、ソファから立ち上がったり、便座に座るような時に両ひざ下がビリビリ、チクチク、ジンジン熱く感じるようになって」

 こんな症状を訴えてこられたのは87歳の女性の患者さんでした。

 お聞きすると、16年ほど前から足先がしびれ出してきたということで、それが次第にひどくなり、最近になって冒頭のように症状が悪化。さらに腰痛の症状も出始めているとのこと。

 この16年あまりの間にマッサージに行ったり、整形外科も何軒も回って、電気治療なども受けてみたりしたのですが、改善はしなかったといいます。

 整形外科で行う電気治療とは、痛みがある部位や痛みを中枢に伝える知覚神経に微弱な電気を流す治療法で、種類によって目的と効果が異なります。痛みの伝達をブロックしたり、筋肉の緊張をほぐし痛みやコリを軽減する効果があります。

 ですが、この治療は主に神経や筋肉へのアプローチのため、痛みの原因によっては症状の改善は見られません。

 この方の場合、体の新陳代謝を活発にする甲状腺ホルモンが何らかの理由で不足する甲状腺機能低下症も患われており、体力の低下が見られるようでした。

 精密な診断をしたところ、脊髄の後方にある黄色靱帯という線維状の組織が肥厚して硬くなっており、脊髄神経を圧迫していました。総合的に、脊柱管狭窄症と椎間板変性症という診断結果に。患部である4カ所の椎間板に特殊なジェルを注入するセルゲル法を施行し、その日のうちに帰宅となりました。

「痛くなる時は薬を飲んでいますが、治療を受けて満足しています。この間も、私の歩いている姿が良くなったって息子に言われたんです」

 1週間後、改善の兆候がうかがえる報告をいただきました。1カ月後では、入浴後や布団の上げ下ろしをした時などにまだしびれが出るとのこと。

 リハビリを始め3カ月目になると、以前よりもすたすたと歩けるようになり、症状の改善をご自身も実感されている様子。ただ、家事などをしたり、車に乗ったりするとしびれが出るようで、今度は痛みより、しびれの症状が目立つようになったといいます。

 1年後となった現在も、まだしびれが強く残っているご様子で、しかもこの間に右腕を骨折したために、腕をかばいながらの姿勢が原因と考えられる腰痛も発症。腰痛には椎間板以外の要素もあることを説明し、引き続きのリハビリをお勧めしたのでした。

 このように腰痛は原因が重複している場合があり、その原因を明確に特定することができない場合があります。ですが、最後まで原因追究と治療を諦めず、粘り腰で治療にあたることが必要なのです。

(ILC国際腰痛クリニック東京・簑輪忠明院長)

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