1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ
  4. ライフ総合

【陳皮】胃の働きを活発にして消化吸収を促進する「胃の万能薬」

日刊ゲンダイ ヘルスケア / 2024年5月17日 9時26分

【健康長寿に役立つ高齢薬膳】陳皮

 食事するたび、みぞおちのあたりがジリジリ焼ける感じがする。胃がムカムカして、酸っぱいものがこみ上げることも……。そんなときは「胃酸過多」が原因かもしれません。

 胃酸過多とは、胃液に含まれる主成分である胃酸の分泌が過剰になった状態をいいます。胃酸は食べものが胃に入ったときや、味や香りを感じたときに、脳や胃が刺激を受けて分泌され、食べたものの消化に使われます。また、食べものとともに体内に入った菌を殺す働きもあるのです。

 ただし、非常に酸度が強力で、胃壁に直接触れるとダメージを与えてしまうため、胃酸の分泌時には胃粘液も分泌されて「胃粘膜」を覆い、保護する仕組みになっています。ところが、なんらかの原因で胃酸が過剰になり、粘液とのバランスが崩れると、胃粘膜が傷ついて不調を引き起こしてしまうのです。主に胸やけ、胃もたれ、胃痛、お腹の張りといった症状がみられます。原因としてはアルコールや刺激物の過剰摂取、食べ過ぎ、ストレスなどが挙げられます。

 また胃酸過多は、胃酸が食道に逆流する「逆流性食道炎」を引き起こす可能性もあります。とくに、シニアは加齢によって食道と胃のつなぎ目にある筋肉が弱って緩みがちなので、胃酸が逆流しやすくリスクが高いといえます。重症化すると激しい痛みや、炎症の悪化から食道がんを引き起こす原因にもなるため注意が必要です。

 中医学において、胃は消化をつかさどる臓器「脾」と表裏一体の関係にあります。胃酸過多によるトラブルは、脾の消化能力の低下によって胃が虚弱になっていると考えます。また、ストレスにより人間のエネルギー源である「気の巡り」が悪くなることも、胃に影響を及ぼします。

 改善のためには、消化力を高め、胃の働きを高めるとともに、気の巡りをよくする食材を取り入れることが大切です。

 おすすめは中華食材コーナーにある「陳皮」。ミカンの皮を乾燥させたもので、生薬としても使われています。胃の働きを活発にして消化吸収を促進します。胃の不調に優れた効果があり、胃痛、胃酸過多、胃もたれ、消化不良、吐き気、食欲不振、腹部膨満感などに威力を発揮するまさに「胃の万能薬」。日頃から胃の不調に悩まされている人にはぜひ、取り入れてもらいたい食材です。

 気を巡らせてストレスを改善する効果も高く、ストレスで胃が痛い、というときの強い味方でもあります。また、咳や痰を取り除くなど、喉のトラブル改善にも役立ちます。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください