膀胱炎のリスク大…女性にも多い「尿漏れ」はトレーニングで改善できる
日刊ゲンダイ ヘルスケア / 2024年5月18日 9時26分
咳やくしゃみをした際に、「尿漏れ」してしまう悩みを抱えている人は多い。P&Gジャパンが2019年に行った大規模調査では、20~60代の女性4万人のうち63.7%が「尿漏れの経験あり」と答えている。女性専用の泌尿器外来を設置する亀田総合病院ウロギネ・女性排尿機能センター長の野村昌良氏に対策法を聞いた。
◇ ◇ ◇
尿漏れは、咳やくしゃみなどでお腹に力がかかった際に尿が“チョロッ”と漏れる「腹圧性尿失禁」と、突然尿意に襲われトイレに間に合わない「切迫性尿失禁」のほか、両者の症状が合わさった「混合性尿失禁」に分けられる。
「腹圧性尿失禁は、出産や便秘により尿道を支える骨盤底筋がダメージを受けて緩くなり尿漏れが起こるのに対し、切迫性尿失禁の場合、水に触れたり寒い場所を訪れるなど、何らかのきっかけで膀胱が異常に収縮することで起こります。ほかにも、生まれつき膀胱が小さく尿をためられる量が少ないのも尿漏れの原因のひとつです。患者さんは60代に最も多く、30代で受診される方も珍しくありません」
尿漏れを繰り返すうちに早めにトイレに駆け込むようになると頻尿になりやすい。また、尿漏れに備えて吸水パッドを使用している人も少なくないが、濡れたパッドを長時間取り換えずそのままにすると、膀胱炎を引き起こして残尿感の症状も現れやすくなる。野村氏によると、中・高齢者の膀胱炎のほとんどが、尿漏れが原因だという。
「また、膀胱に尿をためる蓄尿は自律神経によって調節されています。精神的なストレスで自律神経が乱れると動悸や息切れのほか頻尿になるので、尿が近い→尿漏れが心配になる→尿が近いといった負のスパイラルに陥りやすい。患者さんの中には、孫に臭いがバレているのではないか、すれ違う人が鼻をすするのは臭うからではないかと思い込み、抑うつ状態になるケースも少なくありません」
尿意を意識してトイレ行くタイミングを調整
尿漏れというと、前立腺肥大など男性に多い疾患というイメージが強く、受診を後回しにしている女性は多い。悩んでいるなら、負のスパイラルに陥る前に対処したい。女性専門の泌尿器科であるウロギネ科では、腹圧性尿失禁に対しては、肛門、腟、尿道をキュッと締め上げ骨盤底筋を鍛える体操や、特殊なテープで下がった尿道を正しい位置で固定するTVT手術が実施されている。切迫性尿失禁では膀胱の収縮を抑える作用をもつ抗コリン薬やβ3作動薬の服薬治療が有効だ。
-
-
- 1
- 2
-
この記事に関連するニュース
-
徹底解説・第3弾 男性更年期・治療と予防 ゆるやかな糖質制限で「排尿障害」防ぐ テストステロンが関係 野菜摂取で肥満・メタボ・更年期障害を同時に解消
zakzak by夕刊フジ / 2024年6月15日 10時0分
-
【子ども】5歳になってもお漏らし&おねしょ続く なぜ? 受診した方がよい? 泌尿器科専門医が指摘する“病気”の可能性
オトナンサー / 2024年6月15日 6時10分
-
大きくなっても続くおねしょ…子供の自尊心を傷つける前に治療を
日刊ゲンダイ ヘルスケア / 2024年6月4日 9時26分
-
Dr.中村格子流「尿もれ」と「ぽっこりお腹」まとめて解消!50代女性におすすめ骨盤底筋群の鍛え方
ハルメク365 / 2024年5月31日 20時50分
-
おしっこを我慢できない!これって「過活動膀胱」?チェックポイント4つと、治療法も紹介
ハルメク365 / 2024年5月20日 19時0分
ランキング
-
1自転車「逆走」が招く重大事故 ドライバーには「一時停止無視のママチャリ」も恐怖
NEWSポストセブン / 2024年6月16日 16時15分
-
2ジェネリック医薬品ごとの増産能力や在庫などメーカーが公表へ…厚労省、安定供給狙い
読売新聞 / 2024年6月16日 22時21分
-
3「熱中症の怖さを伝えても微動だにしない」猛暑なのに冷房をつけない頑固な老親が素直になる必殺フレーズ
プレジデントオンライン / 2024年6月17日 8時15分
-
4トヨタ「ルーミー」の対抗馬! 全長約3.8m&背高スライドドアのスズキ「小型ハイトワゴン」何がいい?「ソリオ」の魅力とは?
くるまのニュース / 2024年6月16日 8時10分
-
5ヤンキー座りできない人、急増中…腰痛、むくみ、血行不良…足首が硬いと起きる見過ごせない不調とは
集英社オンライン / 2024年6月16日 10時0分
複数ページをまたぐ記事です
記事の最終ページでミッション達成してください
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)