五反田TOC工事計画 建築費高騰でストップの衝撃…建設業界で「2024年問題」ますます深刻化
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年4月16日 9時26分
建て替えを見直した東京・五反田のTOCビル
建て替えのため、3月いっぱいで閉館していた東京・五反田の大型商業施設「TOCビル」について、急きょ「メンテナンスを行い、9月に営業を再開する」と運営会社が発表。驚きの声が広がっている。
TOCは築50年以上が経過し老朽化していたため、閉館。200店舗以上あったテナントは、閉店もしくは移転している。建築費高騰と賃貸市況を鑑みて、建て替え計画の見直しを行うという。
「最近散見されるのが、デベロッパーが購入したマンション建設用地を、建築費高騰により採算が合わなくなって再び市場で売却するパターンです。また計画当初に比べて建築費が高騰したことで、工事のお知らせ看板が出たままいつまでも着工できない現場も増えてきました。工期が2、3年かかる中高層ビルの場合、工事中に建築費が上がっていき、その間にゼネコン側が依頼主に値上げをお願いすることも。値上げに応じてもらえない現場は工事が赤字になるケースもあります」(不動産アナリスト・長谷川高氏)
人手不足などで倒産が増えているのが建設業だ。帝国データバンクによると、2023年度の人手不足倒産は過去最多の313件でうち3割を建設業が占めている。
さらに、人件費や資材費の高騰による価格転嫁が思うように進まない苦しい状況に置かれている。
■若年層の減少と団塊世代の大量退職で苦境に
今年に入ってからも、暁建設(埼玉県戸田市)など中小建設業の倒産が相次ぐほか、建設大手の清水建設は24年3月期の連結営業損益が330億円の赤字になると発表し、上場以来初の営業赤字に。
「若年層の減少、団塊世代の大量退職が起こる中、バブル崩壊以降、建設現場で働く若者が著しく減少し、職人を育てられていない。大手ゼネコンが学校を作ったりしていますが、外国人労働者に頼らざるを得ない状況になっている。かつて下請け孫請けいじめが問題になりましたが、今や協力をお願いする時代になっています。都心では再開発事業が活発ですが、それが中長期的に持続するのかという問題もある。長期的には就労人口減少の影響で国内全体で工事請負高は縮小していくと思われます」(長谷川高氏)
時間外労働の上限規制、人手不足による機能不全が懸念されるのが2024年問題で、建設業界の苦境はますます深刻化するという。
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