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保守王国「島根1区」も瓦解寸前…“にしこりコール”盛り上がらず、支持者「自民が勝ったら恥」【現地ルポ】

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年4月23日 11時28分

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元財務官遼の経歴も足引っ張るか(岸田首相と自民新人・錦織功政候補)/(C)日刊ゲンダイ

「保守王国」の島根県でも、自民党の信頼が大きくグラついている。

 与野党一騎打ちの構図となった衆院補欠選挙(28日投開票)の島根1区。自民党が擁するのは新人の元財務官僚・錦織功政候補だ。ラストサンデーの21日には岸田首相が応援に駆けつけたが、県民の反応はイマイチ。郊外のショッピングセンターで行われた演説では、岸田首相の登場に拍手こそ起こるものの、歓声はまばらだった。

 地元の政界関係者はこう話す。

「昨年は長年議席を守ってきた細田博之前衆院議長が亡くなり、『参院のドン』といわれた青木幹雄元官房長官も亡くなった。青木さんの息子の一彦参院議員はパッとしない。大物がいなくなった上に、今回の裏金事件。県内の自民党のブランド力は大きく低下している」

 元財務官僚という錦織の経歴も足を引っ張っている。

「島根県は中小企業が多く、インボイス制度に苦しめられている人が多い。岸田総理と手を組んでインボイスを導入した財務省出身だけに、地元での反感は少なからずある」(前出の政界関係者)

 自民党支持層の冷めたムードを象徴するような出来事も。21日の演説の最後に行われた「にしこりコール」が全く盛り上がらないのだ。「にっしこり! にっしこり!」と陣営はスピーカーで叫ぶものの、聴衆はあまり乗り気でないのか、地を這うような低く小さな声で「にしこり……にしこり……」と後に続くだけだった。その場にいた高齢男性はこう話す。

「私は長いこと自民党を支持してまして、今日は動員で来ました。人間関係の問題もあるので顔を出しましたが、実は野党に投票しようと思っています。裏金問題にはみんな怒っている。一般人がやったらあんなの犯罪ですよ。これでまた自民党が勝つようなら、島根は日本の恥ですよ」

 岩盤支持層こそ健在だが、自民党への不信感は確実に広まっているようだ。

野党陣営の応援は近年最高潮

 一方、勢いづいているのが立憲民主党の亀井亜紀子候補だ。20日に郊外のスーパーで行われた演説では、雨天にもかかわらず100人超の聴衆が集まった。蓮舫参院議員や野田佳彦元首相が応援に駆けつけたこともあり、度々歓声が湧き起こり、小規模ながら、盛り上がりは上々だった。21日に行われた松江駅前の演説では300人ほどの聴衆から、「亀井さんがんばれ!」といった声援が相次いだ。演説を聞いていた地元労働組合の幹部はこう話す。

「郊外のスーパーの演説などはあまり動員をかけていないのですが、自主的に多くの組合員が駆けつけた。組合員の間にも、応援ムードが高まっています。演説の様子を見ても、島根の野党勢力としては近年最高の盛り上がりではないでしょうか」

 両陣営の盛り上がりは対照的。保守王国が瓦解する日は近いか。 

(取材・文=橋本悠太/日刊ゲンダイ)

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