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政権に忖度するテレビ朝日に「株主提案」で問題提起 勝算はあるのか…田中優子さんに聞いた

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年5月6日 9時26分

 ──総務省文書には、放送法が定める「政治的公平性」の解釈変更をめぐり、2014年から15年にかけて官邸が総務省側に圧力を強めていった記録が克明に記されています。

 やり玉に挙げられていたのが、テレビ朝日とTBSでした。(TBSの)「サンデーモーニング」には私自身が出演していましたが、特に変化はなかった。(司会の)関口宏さんが3月末にお辞めになったのは、世代交代が理由でした。それはそうなのでしょう。だけれども、テレビ朝日で明らかに大問題が起きた以上、番組の質を注視していく必要はあると思っています。

大手ほどやらない調査報道

 ──テレビ朝日HDの株主総会は6月。市民ネットワークは昨年9月末までに48人で計4万株(400単元=約6000万円分)を購入し、会社法に基づく議題提案権行使に必要な「300単元以上の議決権を6カ月継続保有」をクリア。他の株主に提案を開示させる道筋をつけたほか、株主名簿の閲覧謄写も請求できるそうですね。

 提案できる態勢を整えたのは、すごく大事なこと。テレビの影響力はまだまだ強い。信頼しているがゆえにしっかりしてほしい。資金もマンパワーもある大手メディアこそ調査報道に力を入れるべきなのに、大手ほどやらない。おかしいでしょう。私たちは批判するのではなく、励ますための提案をしているんです。

 ──前川氏は官僚時代、安倍官邸から強い圧力を受けました。社外取締役への推薦は、テレビ朝日に果たし状を突きつけたように見えます。

 前川さんはふさわしい人物だと思います。社外取締役は取締役会などを通じて経営に助言したり、監督する立場。テレビ朝日HDの大株主である朝日新聞を含む報道機関としての経営のあり方、政権との関係をちゃんと見ておくことが必要なのであって、「公正にやってください」と言っているに等しい。番組制作の現場に直接口を挟めるわけではありません。取締役会の決定を覆すこともまずできないので、果たし状でも何でもない。それでも、テレビ朝日は私たちの提案にはなかなか応じないでしょうね。

 ──議決権比率の問題ですか。

 そのあたりは事務局の阪口徳雄弁護士が詳しいのですが、米国では株主の10%以上が賛成した提案について、会社は何らかの対応をしなければならない。相当な発言力を得られるんですよね。私たちもそこを目指したいのですが、とても遠い。さらに200倍を超える資金を投じなければならなくて。

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