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自民の「政治資金規正法」改正案はデタラメ、公明は譲歩する気なし…岸田首相が立ち往生の惨め

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年5月9日 11時28分

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四面楚歌(麻生副総裁、茂木幹事長らとの三者会談のために党本部に入る岸田首相=8日)/(C)日刊ゲンダイ

 終盤国会の一大テーマとなってきた政治資金規正法の改正。派閥の裏金づくりの実態を解明することなく、法改正で目くらましを図ろうとする姑息な自民党だが、その改正案ですら自民案はデタラメの極みだ。“なんちゃって連座制”を設けただけの後ろ向きで、与党協議の公明党が納得せず、GW明けから岸田首相が前面に出て動き出した。

「総理が公明案に寄せる見直しで調整役に乗り出した。執行部や国対幹部とも相次ぎ会談。裏を返せば、自ら動かざるを得ないほど、党内がみな総理にソッポを向いている証左」(ベテラン議員)

 公明案では、政治資金パーティー券の購入者の公開を、現在の20万円超から5万円超に引き下げ、政策活動費(政活費)も支給された議員に使途の明細書提出を義務づけるとしている。自民案ではパー券公開は10万円超、政活費は支給段階での項目のみの公表が検討されている。自公間の隔たりは依然大きい。

 そりゃそうだ。自民党は使途を明らかにせず動かすカネこそが力の源泉だとしてきた政党だ。党内からは「パー券公表を5万円になんてしたら、政治資金が集まらなくなる。事務所運営にも支障が出る」(中堅議員)と悲鳴が上がる。

■衆院解散か、自滅退陣か…

 一方、公明党に譲歩する気配はない。山口那津男代表は8日も「透明性をどう高めていくかが焦点」と言い、公明幹部は「自公が同じ方向を向いているかどうか分からない」と不満を漏らしている。

「公明党は世論の猛批判を浴びる自民党の道連れは避けたいのだろう。選挙を考えたら法改正はできるだけ厳しい案にしたい。最終的に総理は公明党案を丸のみするつもりじゃないか」(官邸関係者)

 自公で合意できたとしても、その先の与野党協議は視界不良だ。政治資金パーティー禁止や企業・団体のパー券購入禁止を主張する野党案との距離がありすぎる。与党案にない企業・団体献金の禁止でも、野党は一致している。

 来月23日の国会会期末まで1カ月半。会期内に規正法改正を成立させられるのか。野党案への譲歩は、厳しい改正を求める公明党はのめるとしても、自民党内は紛糾必至。岸田は立ち往生することになる。

 岸田は会期末解散・総選挙を視野に入れている。しかし、規正法改正がまとまらなければ会期延長を余儀なくされる。ただでさえ党内にソッポを向かれている岸田の求心力はさらに低下する。法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)が言う。

「岸田首相は相変わらずの『やってる感』。世論を見て対応を変えるので、サプライズで野党に寄って、維新に救いの手を求める可能性もある」

 衆院解散か、自滅退陣か──。規正法改正の行方に岸田の命運がかかる。

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