【金正男氏殺害】事件で情報が錯綜するマレーシア現地メディアに、振り回される各国メディア
Global News Asia / 2017年2月18日 11時43分
2017年2月18日、マレーシアの首都クアラルンプールで発生した、金正男氏殺害事件での現地報道の錯綜ぶりに、日本を始め各国が振り回されている。
日本のテレビ各局が現地中継をしているが、枕詞のようによく使われる言い回しとして、現地メディアによると・・・とマレーシアのローカルメディア情報を元に報じてることが分かる。
そのマレーシア現地メディアによると、当初の殺害方法は毒針かと報じ、布やスプレーに変わり、殺害された場所も搭乗を待っているときから自動チェックイン機前へと変更された。搭乗口近くだと少なくても国際便のチケットを持っていないとと行けない場所なので誰でも行ける場所ではないし、出国しているので逃走も困難だ。さらには、実行犯は北朝鮮工作員と思われる女性2人でともに死亡、口封じかとも伝えられたが、2人は逃亡し、死亡もしていない。現時点では国籍もベトナムとインドネシアとされている。しかも、犯人は監視役の男4人を加えて6人と増えている。
多民族国家であるマレーシアは主にマレー系、中国系、インド系で構成されており、共通語として英語教育にも力を入れている。そのため、それぞれの言語に英語の新聞やメディアが存在する。中国語メディアだけでも少なくても20媒体はある。
現地で取材する日本のメディア関係者も錯綜する情報に振り回されて悲鳴を上げている。
では、マレーシアの各現地メディアは自由に取材し、好き放題に発信しているかと言えば、そうとは言えない。「国境なき記者団」(本部パリ)が発表した「報道の自由度ランキング2016」によると、マレーシアは、180か国中、146位と下位に近い(日本は72位、タイ136位、中国176位、北朝鮮179位)。
今回の金正男氏殺害事件での現地メディアの迷走ぶりは、2014年3月8日に発生し、今年1月17日に捜索を終了したマレーシア航空370便行方不明事件を思い出させる。
【執筆 : 中野 鷹】
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