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【実例紹介】会社経営者「大幅節税」を目指す海外移住戦略…英語・中国語のウェブビジネス拡大を目指す、香港移住起業家のケース

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年4月18日 11時15分

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(※写真はイメージです/PIXTA)

瞬時に世界とつながるインターネット環境が、普通の生活インフラとなったいま、特定のエリアに固執して暮らす・働く必要はあるのでしょうか。ましてや、自分の裁量で仕事をコントロールできるフリーランスや、会社経営者の場合は…? 拠点を海外へ動かせば、日本では実現不可能な資産形成も可能になります。今回は、国をまたいだ法人設立や国債税務に明るい国際弁護士の小峰孝史氏が、海外移住をサポートした会社経営者の方のインタビューを紹介します。

「海外移住で大幅節税」を目指す日本人ビジネスマンの実例

フリーランスで仕事をしている人が、タイやマレーシアに移住することで税金をゼロにできるという記事を執筆したところ、多くの反響がありました。

筆者は弁護士として、主に日本企業や日本の富裕層向けに、日本の税法等の法令を踏まえつつ香港の税制上のメリットを生かすよう、アドバイスを提供する業務を行っています。近年では、フリーランスや経営者の方の「節税を目的とした海外移住」をサポートしています。

今回は、実際に香港移住をお手伝いした会社経営者のAさんにインタビューを行い、その内容をご紹介します。

新卒入社したメガベンチャーから独立、起業へ

小峰:早速ですが、あらためてAさんの日本でのご経歴を教えてください。

Aさん:私は大学卒業後、いわゆるメガベンチャーといわれるIT企業に就職し、約8年間勤務しました。その後、ウェブマーケティングの会社を立ち上げました。

小峰:ウェブマーケティングの会社は、どれくらいの規模になりましたか?

Aさん:社員は私1人です。

小峰:1人で会社の仕事が回りますか?

Aさん:正社員は私1人しかいませんが、私だけで作業をしているわけではありません。私以外は業務委託なのです。

小峰:なるほど。日本では正社員の社会保険料はものすごく負担が大きいですし、仕事量が減っても解雇できませんから、正社員を抱えるデメリットは大きいですよね。

香港移住の目的は「グローバルビジネスの展開」と「節税」

小峰:そこまで合理的なウェブマーケティングの会社を経営していながら、Aさんはどうして香港へ移住したのですか?

Aさん:日本国内だけのビジネスではなく、グローバルなビジネスに取り組みたい、そのためにはまず海外に出たいという思い、そして、英語力を高めていきたいという気持ちがありました。あとは、正直、節税したいというのもありました。

小峰:節税というのは?

Aさん:日本で経営してきた会社を、売却しようかなと思っています。もし日本で売却すれば、売却益に対して約20%の税金がかかります。しかし、海外に出てから売却すれば税金がかかりません。

小峰:ただ、出国税がかかってしまうのでは?

Aさん:幸か不幸か、私が保有している株式の価値が1億円に満たないため、出国税の適用はありません。

移住の準備期間は、わずか2カ月

小峰:香港への移住の準備は大変でしたか?

Aさん:移住しようと思い立ったのが2023年10月、そして12月末に移住しましたから、準備期間はわずか2ヵ月でした。香港での銀行口座開設、ビザ取得では小峰さんにお世話になりました。

小峰:その節はありがとうございました。あのときは「香港法人設立→銀行に法人口座を開設→会社取締役としてビザを取得」まで2ヵ月でしたから、かなりの強行軍でしたね。

Aさん:2ヵ月でビザ取得まで完了するのは、かなり早い方なのですよね。ビザ発行の連絡が来たときは、ほっとしました。

小峰:正直ギリギリでしたね! ですが、2ヵ月でビザを取得できたのは、Aさんが日本で堅実に会社経営をできていて、Aさんは香港でもビジネスを発展させられるとアピールしやすかったからだと思っています。

家賃の安いシェアハウスで節約&日常会話で英語力磨き

小峰:いまの香港でのお住まいはいかがですか?

Aさん:香港の家賃は高いですね。東京の2倍、3倍はします。私は単身なので、シェアハウスに住んでいます。

小峰:どこにあるシェアハウスですか?

Aさん:上環にあります。1ヵ月1万香港ドル(約20万円)ですから、かなりお得だと思います。

小峰:上環という都心で1ヵ月1万香港ドルは、かなり安いですね。建物の広さや設備はいかがですか?

Aさん:4LDKくらいのマンションの1室です。そこに、20代の若いフランス人2人、中国人1人、日本人1人(私)が住んでいます。それぞれ6畳くらいのベッドルームがあり、あとは、共用のシャワー、トイレ、キッチンです。20代の若者ばかりなので、楽しい毎日です。

小峰:英語力を身につけるという目標も達成できそうですね。

Aさん:はい。シェアハウスで生活するだけでも毎日英語を使っていますし、香港の会社を置いているシェアオフィスでも、同居している会社の人たち、シェアオフィスのマネジャーさんたち、みな香港人やヨーロッパ人ですから、英語を使わずにいられない環境です。

ビジネスとプライベートの近未来展望

小峰:香港では、どのようなビジネスをなさっていますか?

Aさん:香港に会社を設立し、そこでウェブの仕事を受けています。海外に出たからには海外の顧客を取りたいという気持ちはありますが、いまのところ、日本の顧客から受けている仕事が中心です。

小峰:なるほど。それは逆に新鮮ですね。日本でやっている仕事・顧客そのままに、海外移住することもできるということですね。プライベートのプランはいかがですか?

Aさん:日本で仕事をしている婚約者がいますが、香港に来てもいいといってくれているので、一緒に香港で暮らしたい思っています。そのときにはシェアハウスというわけにはいきませんから、きれいなコンドミニアムに住みたいです。

小峰:香港のコンドミニアムは、プールやジムなどの設備が付いているところが多くあります。きっと満足してくれるでしょうね。

今後の目標はアジアへのビジネス展開

小峰:仕事の面での今後のプランはどのような感じでしょうか?

Aさん:いまのところ、日本に住んでいたころからの顧客中心なので、新しい顧客を取っていきたいです。香港は不動産業が盛んな都市なので、不動産関係の仕事に興味があります。日本の不動産を香港人に紹介するサイトなどを作っていきたいですね。

小峰:香港で成功したら、さらに世界を目指していきますか?

Aさん:そうですね。まずは、アジアでのビジネスを目指していきたいです。そのために、香港やシンガポールで頑張ろうと思います。

ビジネスの拠点を移すだけで、資産形成に大きな差

Aさんは日本での会社経営に一定の成果を上げつつも、さらにビジネスを発展させるべく、香港への移住を決意されました。

日本は税金が重く、せっかくビジネスを成功させても、資産形成が思うように実現できず、もどかしい思いをすることが少なくありません。しかし、上記のAさんの例のように、ネット環境さえあれば行えるビジネスを営んでいるならば、日本を脱出して、海外に拠点を移すというのも有力な選択肢です。それにより、大幅な節税を実現し、資産を増やすことができれば、将来のビジネスの選択肢も広がりますし、なによりご自身の人生が豊かになります。

若い経営者やフリーランスの方のなかには、日本を脱出して自由にビジネスを行いたい、より豊かに暮らしたいという考えを持つ方も増えています。

柔軟な発想力と、一歩踏み出す勇気のある方が、今後はますます増えてくるのではないでしょうか。

小峰 孝史 小峰 Investments マネージング・ディレクター・弁護士

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