「今と同じ家賃で自分の家が建ちますよ」…よくある営業トークに潜む〈落とし穴〉【一級建築士YouTuberが解説】
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年4月28日 10時15分
(※写真はイメージです/PIXTA)
住宅会社の営業トークによくあるのが、「今払っている家賃と変わらない負担で家が建ちます」というもの。しかし、このトークには大きな落とし穴が潜んでいます。本記事では、『後悔しない家づくりのすべて』(サンクチュアリ出版)の著者げげ(⾦⾕尚⼤)氏より、持ち家を建てる上で見落とせないメンテナンス費用の抑え方などを解説します。
「今の家賃で、家が建ちます」の落とし穴
住宅会社の営業トークとしてよくあるのが「今住んでいるところの家賃と、月々同じお支払いで、家が建ちます」というものです。確かに同じ金額を払うなら、ただ消えていく家賃よりも、家という資産が残る住宅ローンのほうがよさそうに思えますが、実はこの営業トークには、大きな落とし穴が潜んでいます。
家に住み続ければ必ず発生する費用……すなわちメンテナンス費用が無視されている場合がほとんどなのです。参考として、一般的な耐久性を持つ建売住宅を例に挙げるなら、30年で約850万円のメンテナンス費用がかかるとされます。これを分割すると、月に約2万3000円を積み立てる計算です。
ある日突然、家の修繕が必要になった際に、スピーディに工事を終わらせるためにも、積み立てておくといいでしょう。なお、メンテナンスコストは、家を建てる際に耐久性の高い部材を選んだり、仕様を強くしたりすることで、ある程度抑えることができます。
メンテナンスコストを最小限にする方法
家に住み続ければ必ず発生するのが、メンテナンス費用やランニングコスト(維持費用)です。それをうまく抑えるには、家づくりの段階から「仕込み」を行うといいでしょう。
たとえば、やや高価でも耐久性のある部材を選択すれば、イニシャルコスト(初期費用)こそかかりますが、長い目で見れば安く済むケースもあります。また、バルコニーや屋上、ベランダといった防水のメンテナンスが必要となる仕様の採用を控えたり、エアコンや給湯器などの設備の数を減らしたりすることでも、ランニングコストが抑えられます。
なお、どんな住宅でも、10年〜15年頃に小さな不具合や修繕箇所が出てくるものですが、そこで「お金がかかるし、今は直さなくてもいいか」と先延ばしにするのは、最悪の選択です。
雨漏りや壁のひび割れ、柱の腐敗といった重大なトラブルは、小さな不具合の積み重ねによって起きるもの。些細に思える不具合でも、修繕を先延ばしにするほど大きな問題が発生しやすくなると考えておくべきです。
げげ(⾦⾕尚⼤)
⼀級建築⼠事務所げげ代表
一級建築士YouTuber
この記事に関連するニュース
-
39歳、貯金200万円。身内が全員死去しており、遺産はありません。今後どう生きていくかの不安が強くあります
オールアバウト / 2024年5月20日 22時20分
-
新築戸建て採用率70%超の外壁材「サイディング」を使ってはいけない理由
日刊SPA! / 2024年5月19日 8時52分
-
40歳会社員、結婚したら「賃貸」は卒業すべきですか? 妻から「家を買いたい」と言われていますが、共働きで「年収600万円」ではキツイでしょうか?
ファイナンシャルフィールド / 2024年5月19日 5時30分
-
おひとりさまの老後の「住まい」どうする?3つの注意点
オールアバウト / 2024年5月16日 19時30分
-
不動産会社から「金利が本格的に上がる前に」と、住宅購入を勧められています。4000万円の住宅ローンだと支払いが「月13万円」程度で、今の家賃と同じ予定ですが、購入後の生活は大丈夫でしょうか?
ファイナンシャルフィールド / 2024年5月8日 5時10分
ランキング
-
1「富士山を黒幕で隠す」日本のダメダメ観光対策 「オーバーツーリズム」に嘆く日本に欠けた視点
東洋経済オンライン / 2024年6月2日 8時0分
-
2サクラクレパスの「こまごまファイル」が“想定外”のヒット、なぜ?
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年6月1日 8時10分
-
3秋田で半世紀親しまれる「うどん・そば自販機」、「断腸の思い」で50円値上げ
読売新聞 / 2024年6月1日 13時57分
-
4食卓に「オレンジショック」=果汁が品薄、価格高騰
時事通信 / 2024年6月1日 13時55分
-
5「みどりの窓口削減計画」はなぜ大失敗したのか…JR東が誤解した「5割がえきねっとを使わない」本当の理由
プレジデントオンライン / 2024年6月2日 7時15分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください