走る、寝る、休む…すべて万能な1BOX型キャンピングカー6選
&GP / 2017年2月22日 7時0分
走る、寝る、休む…すべて万能な1BOX型キャンピングカー6選
キャンピングカーはなんとなく「室内で寝られて炊事もできるクルマ」とひとくくりにしてしまいがち。ところがキャンピングカーにはいろいろなジャンルがあり、ベースとなるクルマも変わってきます。ここで、人気の2タイプを紹介しましょう。
▼キャブコンバージョン(キャブコン)
キャビンの後ろにキャンピングカーとしての居住スペースを架装したタイプ。一般的にトヨタカムロードなどのトラックをべースに作られます。魅力は広さを最大限に活かした居住スペースの快適さ。大勢で過ごせる豪華なリビング、常設ベッド、キャビン上に設けたバンクベッド、さらにトイレやシャワーもついています。
▼バンコンバージョン(バンコン)
バンをベースに、2列目席より後ろにリビングスペースやベッド、シンクなどを架装したタイプ。トヨタハイエースや日産NV350キャラバンなどの1BOXタイプをベースに製作されますが、最近ではミニバンをベースに架装したバンコンもあります。スペースに限りがあるためソファとベッドを共用するのが一般的。ルーフが上がってテントになるポップアップルーフを取り付けたものもあります。なお、1BOXの運転席から後ろをカットし広大なリビングスペースを架装したものは、小型のキャブコン扱いになります。
■キャブコンはもちろん快適だけどバンコンだって十分快適
おそらくキャンピングカーと聞いて多くの人が想像するのはキャブコンでしょう。ゴージャスで快適なキャンピングカーライフを過ごした人にはキャブコンがオススメですが、一方でトラックベースなので移動中の乗り心地がややつらかったり、ボディが大きい分横風にあおられたりすることも。どちらかというと近距離でのキャンプや1カ所に長期滞在したい人に向いているタイプです。
バンコンはベースが1BOXなので高速道路、街中やキャンプ場付近の山道も普通に走れます。そしてソファとベッドを共用するといっても軽自動車よりスペースに余裕があるため、十分に快適な空間を作ることが可能。長期のアウトドアライフをすべてクルマの中で過ごすのはきついかもしれませんが、走る、寝る、休む…キャンピングカーに求められる機能をマルチにこなせるのは1BOXタイプのバンコンと言えるでしょう。
ファミリーでキャンピングカーライフを楽しみたい、ホテルや旅館にも泊まりながらキャンプも楽しみたいという人にオススメしたいバンコン。今回は2月2日~5日まで幕張メッセで行われたジャパンキャンピングカーショー2017で見つけた、バンコンや1BOXタイプのキャブコンを紹介しましょう。
▼ANNEX「COMPOSER with DOG」
子供が大きくなり手がかからなくなったら、ペットと一緒に旅をしたい。そんな夢を描いている愛犬家は多いもの。しかし昔に比べたらペットと泊まれる宿は増えたものの、まだまだ行動は限られます。そこで愛犬家が注目するのがキャンピングカー。自分のクルマなら余計な気遣いは不要ですからね。
COMPOSER with DOGは日産NV350キャラバンをベースに愛犬と快適に旅するための機能を搭載したキャンピングカー。ボディ後方にFRP製のユニットルームを設置し、バギーやドッグフードを収納できるようにしてあります。またユニットルームのフロアをシャワーバン形状にすることで愛犬の汚れた足や体を洗うこともできます。もちろんユニットルームとリビングスペースは室内から移動可能。
▲参考価格:695万4500円 ※諸費用等別途
室内のソファベッドには汚れを拭き取りやすく掃除もしやすいビニールレザーを採用。だから愛犬と一緒に寝たりくつろいだりしても、余計な心配をする必要がありません。ベッドは大人2人が寝られるスペースを確保してあるし、ポップアップルーフもついているので、ご夫婦やファミリーで愛犬と一緒にでかけることもできます!
>> ANNEX
▼レクビィ「ファイブスター Superior」
トヨタハイエースをベースにインテリアのデザイン性と高めつつ、移動と就寝という相反する要素をバランスよく一台の中に集約したモデル。大人2人に、子供3人までの就寝ができるのでファミリーでも安心して使えます。
フロントシートを前に倒すと1人掛けのシートが現れます。これで2列目シートと向かい合わせにすることが可能。また、2列目シートを後ろ向きに反転させてダイネットにすることもできます。2列目シートを倒せば1600mm×1400mmのベッドに。2列目シート後方には横向きソファがあり、ワンタッチで2段ベッドにすることができます。
▲参考価格:662万8000円 ※諸費用等別途
ボディ後方にはシャワールームを設置。もちろんシャワールームには室内から移動することができます。シャワールームには簡易型のトイレも設置されています。
>> レグビィ
▼TACOS「SUPER RECO」
バンコンの弱点は天井の低さ。背の高い人だとどうしても室内で首を曲げるか背中を丸めないといけません。SUPER RECOはトヨタハイエースを超ハイルーフ仕様に架装。2040mmという室内高を実現したバンコンです。ルーフの上にはアクリル製のサンルーフやソーラーパネル、ベンチレーターが備わります。
どうです、この天井の高さ。天井部分はボードを敷くことにより1800mm×1080mのベッドに。移動時もマットを敷いて天井部分を収納スペースとして使うことが可能。天井サイドには自然木が使用されています。
▲参考価格:571万1000円 ※諸費用等別途
シートはレザー調に。車内でくつろぐ時は向かい合わせ、移動時は前向き乗車できます。そしてシートをフラットにすれば1800mm×1500mmのベッドに。上下2つのベッドで最大4人の就寝が可能。この全高がどんな運転感覚になるのか想像できませんが、天井が高いというのは快適に過ごす上で欠かせないポイント。バンコンの新たな選択肢として注目です。
>> TACOS
▼セカンドハウス「ウイングス プレミアム」
キャンピングカーというよりも、ハイエースをベースに作られたショーファー・ドリブンと呼びたくなるのがウイングス プレミアムです。アウトドアでの快適性ではなく、ゴージャスな移動にとことんこだわり、セレブ感あふれる居住スペースに仕立てています。運転席と後ろの居住スペースをカーテンで仕切ることができます。
2列目は高級感あふれるキャプテンシートに。オプションでオットマンをつけることも可能。このキャプテンシートの前にはキャビネットが配置されます。キャビネットを上に跳ね上げるとシンクが出現。キャプテンシートは後ろ向きに回転させられます。
▲参考価格:551万円 ※諸費用等別途
キャプテンシートの後ろにはコの字型のシートが。このシートは簡単にベッドにできます。室内は淡い間接照明に照らされ、ショーファーが運転するクルマの後ろをシャンパンを飲みながら夜景を眺める。そしてその後ろにはゴージャスなベッド…。次はどんな展開になるのか、いろいろ妄想が膨らみます(笑)。
>> セカンドハウス
▼Funluce「URAL EURO」
ハイエースのボディ後方を完全に切り取り、キャブコンに仕立てたウラルユーロ。トラックベースだと乗り心地が悪くて嫌だ。2人で旅するので一般的なキャブコンほど大きいものは必要ないが、バンコンより居住性のあるものがいい、そんな人にオススメしたいモデルです。
就寝人数を2名と割り切っているので、ソファベッドではなくボディ後方にベッドルームを設置。ただ、ベッドマッドが分割式のため、室内を広くしたい場合はマットを外すことも可能。
▲参考価格:701万3000円 ※諸費用等別途
運転席後ろには横向きのソファを設置。ソファとベッドルームの間にはマルチルーム(トイレ)やキッチンが備わります。
>> Funluce
▼カトーモーター「DD」
こちらはハイエースをベースにしたトラベルバンコン。最大の特徴は居住スペースにカトーモーターオリジナルの“雪国断熱866”を使用していること。これは天井8層、壁6層、床6層の断熱材を使うことで雪国での使用でも快適性を保つことができます。
▲参考価格:694万2240円 ※諸費用等別途
フロントシートを前に倒すとそのまま後ろ向きのソファになるよう工夫。ハイエースのボディとFRP製ボディを組み合わせる形になっていて、室内天井高は最大2100mm、室内幅は1800mmも取られています。
>> カトーモーター
【番外編】日産自動車「グランピングカー」
ジャパンキャンピングカーショーには日産自動車がNV350キャラバンをベースに、人気のグランピングを楽しめる「グランピングカー」を参考出品していました。インテリアには贅沢なソファスペースを設けているだけでなく、IH調理器や家庭用エアコン、電子レンジに冷蔵庫と、室内で快適に過ごすための電化製品がたくさんついています。
実はこのNV350キャラバンには日産の電気自動車であるリーフと同じリチウムイオンバッテリーが搭載されています。リーフはリチウムイオンバッテリーに貯めた電気を走行に使いますが、このクルマは車内を快適に過ごすために電気を利用。8時間の充電で普通に電気を利用しても4日~1週間近く持つといいます。
リチウムイオンバッテリーを搭載したNV350キャラバンは、キャンピングカービルダー向けに2017年度から発売開始予定。キャンピングカーでの電源の供給は大きな課題で各ビルダーがいろいろ工夫していますが、今後は簡単に電気を使い快適なキャンピングカーライフが過ごせるようになりそうです!
(取材・文/高橋 満<BRIDGE MAN>)
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