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リアル・マイケルジャクソン [Vol.16]_1996年HISTORYツアーin台北_Yちゃん、夢のオンステージ! ~おっかけOL3人組とマイケルの交流実話~

インフォシーク / 2012年12月13日 17時30分

左がYちゃん。「これでステージにあがりたい」と思っていた洋服を着たその日に夢が叶った!

Yちゃんは、突然の幸運に足がガクガクになりながら、刺青のスタッフに引きずられるようにステージへ走った!

ずっとずっと上がりたかったステージ!でも、ここは台湾。まさか日本人の自分が選ばれるとは、夢にも思わなかったのだ。

ランウェイをぐるりとまわってステージ中央の階段にたどりつくと、間髪いれず、刺青のスタッフがYちゃんに向かって大声で叫ぶ!

「いいかい?今日は君のためのショウだ!」
「君はステージでマイケルに何をしてもいいんだよ!」
「これは君のショウだ!オーケー?」

スタンバイしている間、何度も繰り返し念を押され、ブンブンうなずくYちゃん。

そしてついに、「ゴー!」と背中を押し出された。

階段を駆け上がった瞬間、ウオオオオー!ワアアアー!と背後で大歓声が沸き起こり、なにかを考える間もなく目の前で歌うマイケルに思い切り飛びついた!

「ワアアアー!」「キャアアー!」
突然現れたファンがマイケルに抱きつくというシチュエーションに、どよめく観客席!

すっかり脱力したYちゃんは、マイケルに全体重を預けて目をつぶった。
(マイケルにああしたい!こうしたい!)という思いよりも、ただただ夢に到達した「安堵感」でいっぱいだった。

プライベートでは華奢に見えたマイケルが、ステージの上では想像以上にパワフルで逞しく、168cmと長身のYちゃんをガッシリと受け取めてくれた。ハグしたマイケルの全身は汗でびっしょりで、香水の匂いに包まれていた。そして、密着した自分の洋服にも汗が染みてくるのがわかった。

(もしステージに上がれたら、絶対泣いてしまう!)とずっと思っていたYちゃんだったが、何度もマイケルに会って免疫が出来たせいか、次第に落ち着いて冷静になっていく自分がいた。

マイケルとハグしてぐるぐるまわりながら、途中、目をあけてステージや客席を見渡してみた。

マイケルの目線で見た観客席は、人の波やペンライトの灯りがどこまでも広がる美しい世界だった。

唐突にYちゃんは、「何をしてもいい!」というスタッフの言葉を思いだし、目の前のマイケルの首にキスをした。

マイケルの肌は汗でツルツルで、水かオイルの膜が一枚張っているかのような感触だった。

後半、Yちゃんのロングヘアがマイケルのマイクに絡まってしまい、2人で必死に髪の毛をほどいたりもした。

永遠とも思われる時間が過ぎ、ついにYちゃんは、セキュリティに抱えられてバックステージへと下がった。

暗がりの中、「ハーイ!ステージにあがってどうだった?」と女性のインタビュアーにマイクを差し出され、Yちゃんは初めて我に返って号泣し、夢が叶った喜びをカメラにむかって伝えた。

わたしたちの長年の夢、「オンステージ」は、こうしてYちゃんが一番乗りで叶えたのだ!

「ぎゃああー!」「Yちゃん!!!」

柵を飛び越えていったYちゃんを、わたしたちは半パニック状態で見送っていた。なに?なに?台湾でステージにあがれるの?Yちゃんは、本当にステージに呼ばれたの!?

階段を駆け上がるYちゃんをみて、ようやくこれが本当に起こった出来事なのだと実感し、わたしたちは歓喜の叫びをあげた!

(そうだ!!)慌ててわたしはしゃがみこみ、下に置いていた荷物を探した。たまたま使い捨てのカメラをこっそり持ってきていていたのだ!

一番ステージ寄りにいたEちゃんにカメラを渡し、Eちゃんは柵に乗ってギリギリまで腕を伸ばしてステージのYちゃんを写した。望遠もフラッシュもついていないカメラ。

それでもハグするマイケルとYちゃんが、小さく、でもしっかりと写っていた。

結果的に、その日のコンサートは、わたしたちにとってパーフェクトだった。

まさかの最前列、しかもYちゃんは、まさかのステージまで上がれたのだ!

コンサート会場からホテルに戻ると、集まった大勢の地元ファンがYちゃんを取り囲み、笑顔で祝福してくれた。

台北に来てからというもの、わたしたちは「日本の熱狂的ファン」として連日のようにニュースや新聞に取り上げられており、Yちゃんを好意的に思うファンが多かったのだ。

「おめでとう、Yさん!」

プロモーターの責任者も、満面の笑顔で声をかけてきた。今日はトラブルがあって会えなくて申し訳なかった、と謝ってくれたが、結果オーライということで笑顔で握手を交わした。

そして、ビデオカメラを抱えたハミードも、いつものようにわたしたちの元にやってきた。

ハミードは、一瞬申し訳なさそうな顔をして、「全員ステージに上げたかったけど、彼女が泣いていたから、今日は彼女を選んだんだ」と、Eちゃんやわたしを気づかってくれた。優しいな~、心がある人だな~と思いながら、「ノープロブレム!」「すごく嬉しいから!」と、わたしたちは明るく答えた。

そう、一人上がったことで、夢はもはや、夢ではなくなっていた。

今日のマイケルへのビデオレターは、もちろんオンステージの感想一色だった。

そして、2日後の高雄(カオシュン)のコンサートで、わたしたちは、「ある決意」を実行に移した。

【バックナンバー】リアル・マイケルジャクソン ~おっかけOL3人組とマイケルの交流実話
[Vol.15]_1996年HISTORYツアーin台北_コンサート初日でのハプニング!
[Vol.14]_1996年HISTORYツアーin台北_マイケルへのビデオレター。
[Vol.13]_1996年HISTORYツアーinソウル_深まる交流、そして新たな目標へ。
[Vol.12]_1996年HISTORYツアーinソウル_チルドレンズパークでの再会。
[Vol.11]_1996年HISTORYツアーinソウル_マイケルのバンに入る!

パリス川口
コピーライター。87年来日時にマイケルのファンとなり、OL時代、同じくOLの友人とともに世界中を追いかける。96年HISTORY TOURを機に、3人は「D-PARTY」(ファミリーの意)と呼ばれ、世界各地でマイケルに会えるようになる。追悼式から3年を経て当時のエピソードを公開。

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