ドリフトに他社製品不足……意外と深刻な「PS5」のコントローラー問題─少しでも安く賢く買い直すには?
インサイド / 2024年5月11日 11時0分
2年以上も購入しにくかったPS5が、2023年頃にようやく誰でもすぐに買えるようになりました。それから1年以上が経過した今、PS5の普及も進み、対応ソフトの数も日ごとに増えています。このタイミングで本体を購入したユーザーも多いことでしょう。
しかしゲームに熱中していると、人によってはコントローラーに関する問題と出くわすことがあります。PS5のコントローラー「DualSense」も例外ではありませんし、他のコントローラーとは事情が異なる一面も存在します。
果たしてDualSenseはどんな問題を抱える可能性を持っているのか。また、少しでもお得に買い換えるにはどうすればいいのか。普及が進む今だからこそ、DualSenseと改めて向き合ってみましょう。
■現行機でも「故障」と無縁ではない
ゲームハードの向上に合わせ、コントローラーの性能も高まっており、様々な新機能が加わっています。DualSenseの場合は、豊かな振動で臨場感を増す「ハプティックフィードバック」や、ゲーム内のアクションを手応えで体感できる「アダプティブトリガー」などが特徴的です。
しかし、機器である以上故障はつきもの。これはDualSenseに限った話ではありませんが、性能が高まるほどデリケートになるので、思わぬ不具合が発生してもおかしくありません。特に、アナログスティックの摩耗や不調で発生する「ドリフト問題」は、快適なゲームプレイを阻む深刻な症状です。
触っていないのに入力が判定されてしまうドリフト問題は、あらゆるゲームの敵と言っても過言ではないでしょう。DualSenseだけでなく、ニンテンドースイッチのJoy-ConやProコントローラーで発生する場合もあり、被害を受けた人の声はSNSなどでもよく見かけます。
「壊れたのなら修理すればいい」という意見は正論ですが、保証期間が過ぎていると当然費用がかかります。修理費用はケースバイケースなので一概にいくらとは言えませんが、PlayStationサポートで公開されている修理の参考料金を見ると、「DualSense ワイヤレスコントローラーの修理/交換 7,480円(税込)」と記されています。
これはあくまで参考料金に過ぎず、「実際の修理料金とは異なる場合があります」といった表記もあるものの、修理に出すのを躊躇してしまっても無理はありません。
■「DualSense」は価格が高く、安く代替できる製品も見当たらず
修理以外の手段を考えると、最もシンプルな解決手段は「買い替え」でしょう。しかしPS5やスイッチなどの現行機は、性能が向上したためコントローラーの価格も従来より高くなっており、ここでも金額の問題が立ちはだかります。
DualSenseの現行価格は、初期3色が9,480円(税込)、他のカラーバリエーションだと9,980円(税込)です。またスイッチのJoy-Conは、左右1組で8,228円。性能面を考えるとやむを得ないとはいえ、気軽には出しにくい金額です。
ただしスイッチの場合、純正品にこだわらなければ、安く手に入れるのは難しくありません。モーションIRカメラといったJoy-Conの特別な機能を求めず、一般的なゲームプレイに使う分なら、安くて十分な性能を持つ他社製のコントローラーがいくつもあるためです。
他社製品も性能次第で値段が変わりますが、標準的な性能でよければ2,000円台でも複数の選択肢があります。また純正品にこだわりたいなら、Joy-Conよりも「Proコントローラー」の方が安いので、そちらを選ぶ手もあります。参考価格ですが、amazonならProコントローラーが6,973円で販売中です。(記事執筆時点)
しかしDualSenseには、いわゆる廉価版にあたるような他社製品がまず見当たらず、他のメーカーが出しているコントローラーはDualSenseと同等かそれ以上の価格のものばかり。そのため、スイッチのように「安い他社製品に乗り換える」という手段が使えません。
■新品でも、店舗次第で多少安く購入可能
金額にこだわらないのであれば、優れている他社製品や、上位機にあたる「DualSense Edge」への乗り換えなども視野に入ります。ですが、出来るだけ安く買い換えたいと思うのも人情でしょう。ここからは筆者の体験談も交えつつ、DualSenseを少しでも安く買い換える手段を一考します。
保障や安定性を最優先に考えるなら、純正品の新品を買う以上の選択肢はありません。保証期間内で、正常な使用状態(取扱説明書などの注意書きに従った使用状態)での故障なら、無料で修理してもらえます。安心という意味では、純正品の新品に勝るものはありません。
また、定価は9,480円~9,980円ですが、店舗での実売価格はもう少し下がっており、amazonでは新色の「コバルト ブルー」も含め、概ね9,000円前後で販売中です。また、駿河屋は中古商品の取り扱いが主ですが、新品も販売しており、「ヴォルカニック レッド」などが8,480円 (税込)で購入できます。(記事執筆時点)
定価と比べると安いものの、もう一声欲しいと願う人は、中古品に目を向けてみましょう。使用済みなので耐久性に不安はありますし、保証の面も厳しくなりますが、その分買い替えの費用は下がるので、悪い選択ではありません。
■安い中古を狙いたい! でもトラブルには気を付けて
実は筆者も、DualSenseのドリフト問題にしばらく悩まされ、今年2月に中古品を購入しました。幸い、使用感に大きな問題はなく、購入から2ヶ月経った今も快適なゲームプレイを楽しんでいます。
一口に中古といっても、価格だけでなく安心面も含めてピンからキリまであります。安い出物が最も見つかりやすいのは、おそらく「フリマアプリ」でしょう。ざっと調べただけでも5,000円台のDualSenseが見つかり、価格面ではかなり手頃です。
ですが、個人的にはフリマアプリの利用はお勧めしません。DualSenseのような精密機器の場合、動作保証抜きに購入するのはいささかリスクが大きすぎます。また、個人間の取引はトラブルになりやすい上に、問題のある品を押し付けられる可能性もゼロではありません。
店舗での売買でもトラブルになる可能性自体はありますが、個人間の取引と比べると安心感は段違いです。問題のある取引だった場合、そのまま押し通すと店舗側が失うものは大きいため、よほどひどい店でなければ順当に対応してもらえます。
■個人的には店頭での購入がお勧め
店舗で買う場合、オンラインによる通販と実店舗での購入という2つのルートがあります。通販は選択先が多く、比較検討するには最適ですが、注文から到着まで時間がかかりますし、中古品だと機器の不良もあり得ます。返品するにも送り返さねばならず、正直かなり面倒な作業になります。
店頭販売なら、購入前に商品を直接触ることも店舗によってできますし(※要許可)、対面なので動作保証などの問い合わせも簡単です。万が一動作に不具合があっても、持ち込むだけで返品できるのも助かります。
そうした観点から大手の中古取り扱い店舗に絞り、いくつか直接回ってみたところ、DualSenseの中古価格は6000円台中盤~後半がほとんど。店舗で多少の差はありますが、概ねこの価格帯で落ち着いている印象でした。
店舗選びについては、自分なりの信頼度やアクセスのしやすさなどを考慮して決めるのがお勧めです。筆者は、DualSenseの中古価格が税込みで6.578円(記事執筆時点)と程よく、足を運びやすい距離に店舗がある点などが決め手になり、「ゲオ」を選びました。
■購入の目安で注目したのは「カラーバリエーション」
最後にもうひとつ、DualSenseの中古品を選ぶうえで、押さえておきたいポイントがあります。中古の場合、「その商品がどれだけ使用されたか」が気になりますが、これを正確に知ることはできません。しかし、ある程度の目安をつけることは可能です。
DualSenseには、いくつかのカラーバリエーションが登場しました。その中でも最も新しいのが、今年の1月26日に発売された「スターリング シルバー」です。仮に「スターリング シルバー」の中古品があった場合、どれほど長くとも3ヶ月ほどしか使われていない計算になります。
カラーバリエーションの中でも、長く発売されている色は長期に渡って使われた可能性がありますし、発売日が近いほどその期間は必然的に狭まります。もちろん、発売日以降に出荷された中古品もあると思いますが、個々の出荷日まで細かく調べるのは簡単ではありません。カラーバリエーションごとの発売日なら調べやすいので、ひとつの目安にする価値は十分あります。
筆者の場合、「スターリング シルバー」の中古品は残念ながら見つけられませんでしたが、次いで発売日が近い「ヴォルカニック レッド」(2023年11月3日発売)の中古品があったので、そちらを購入。初期色も同じ価格だったので、少しお得に買えたような気分を味わえました。
中古品は耐久性に不安がありますし、保証の面も万全ではありません。正規品の新品が最も安心できますが、支出も最も高いので悩ましいところ。しかし、ひたすら安さだけ追い求めるのもリスクが大きく、お勧めはできません。
DualSenseを買い替える場合、価格・保証・安心など、それぞれにどの程度の重きを置くのか。その判断を熟考した上で、新品なり中古なりに手を出しましょう。
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