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「コンテンツファースト」コンテンツマーケティング施策回帰は起きるか?/INSIGHT NOW! 編集部

INSIGHT NOW! / 2023年11月6日 9時30分

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INSIGHT NOW! 編集部 / インサイトナウ株式会社

ポストコロナでのライフタイルは多様化し、各社ともマーケティングセオリーを見直す必要が出てきた。これまでのターゲティングの常套だった属性分類がほとんど意味をなさなくなり、さらに、「ポスト Cookie」とも呼ばれるサードパーティCookie規制は、まずます企業のコミュニケーション戦略を難しいものにしていると言える。現実に、顧客とのコミュニケーションはどのように変化したのか、あるいは何も変化せず、結局はコロナ以前に戻っただけなのだろうか。

こうした背景は、ある意味コンテンツマーケティングが生まれた頃の環境変化に似ているといえば似ている。当時は、リーマンショックから大震災と未曾有の変化が訪れたと言われたものだ。マーケティング戦略や広告戦略はこれまでとは一変すると言われ、現実に、テレビ、新聞、雑誌を中心としたアナログ的なマスメディアの凋落が目に見えて起きた。そして、10数年後のコロナ禍という体験したことのない環境変化でのリアルコミュニケーションの減少は、本来のコンテンツマーケティング施策回帰への動きが活発になってきてもおかしくはない。

意思決定に向けたコンテンツの不足

コンテンツマーケティングを行うということは、ペルソナ設定したユーザー像に対して、「認知・興味」「情報収集」「比較検討」「意思決定」という購買に至るまでのカスタマージャーニーに従い、いわゆる顧客ナーチャリング(育成)を図ろうとするのだが、現状を見てみると、企業によって、コンテンツマーケティングの目的、施策においてはKPI自体も異なる。自社にとって不足しているマーケティング機能を補完するという意味では、至極真っ当なことだ。

しかし、コンテンツマーケティングの実情を聞くと、多くの企業において、「認知・興味」層の獲得にとどまってしまっており、「意思決定」を支援するようなコンテンツ、施策にはなっていないのではないかという印象も受ける。

多くの企業が、「コラム」や「お役立ち情報」として、Webサイト上にコーナーを設け、コンテンツページを作成した。最初は意気込みも高く、毎週のようにコンテンツが更新されるのだが、そのうちにネタがつきるのか、面倒になってしまうのか、1週間が1ヵ月になり、その後放置されてしまうケースは少なくない。

コンテンツマーケティングの概念、スタイルが少しずつ変化していくのは当たり前なのだが、結局、Webマーケティングによる施策の限界、つまり「比較検討」から「意思決定」へと進むプロセスの難易度が高すぎて、どのマーケティング会社、クライアント企業の担当者も「避けたい(そこは営業の仕事)」想いが反映されている印象を受ける。

カスタマージャーニーのプロセスのなかでは、「意思決定」に向かうほど難易度は高くなるのは当たり前で、人によるセールスでも同様だ。マーケティング施策の成果、KPIの設定としては、どうしても簡易な「認知・興味」つまり、アクセス数にしようとするのだが、この「クロージング」を避けている限り、本質的なマーケティングにはならない。マーケティングとは販売行為をせずともに売れる仕組みをつくることであり、最終目的は「クロージング」だ。

マーケティング施策を行う上での「基本のキ」と言えば、「適切な人に」「適切な内容を」「適切なタイミングで」提供することであり、「適切な方法で」というのが、その次にくるはず。

ところが、デジタル技術、ネット技術の発展は、この4番目の「適切な方法」が大きく注目されることになった。

「動画を使って・・」「SNSで・・」あるいは、ライブ配信を活用して、といった手段にばかり目がいくようになってきた。その結果、「誰に対して、何を語るのか」が二の次になっている施策が数多く見受けられる。

ターゲット設定においても同様の傾向がある。ペルソナの設定の重要さは理解していても、そもそも設定そのものが間違っている、いや、あえて「認知・興味」の間口を広げているケースもあり、つまり、マーケティングのためのマーケティングになってしまっている。

コンテンツファーストであるべき

コンテンツマーケティングと言うからには、主役は「コンテンツ」であるべきだろう。コンテンツファーストでなければ、そもそもが成り立たない。

もともと、アメリカからコンテンツマーケティングが入ってきたときのコンセプトは、「編集者のように考えよう」と日本語で紹介されたが、原題は「Think Like a Publisher」であり、紹介文も「メディアを買うのではなく、メディアになろう」となっている。つまり、あるものを加工し編集するというよりも、発行者としてコンテンツを生み出すという意味を持っていると思う。

コンテンツマーケティングは、プロモーションのひとつの方法論として捉えるのではなく、顧客に必要なコンテンツを提供し続けるために、コンテンツファーストを日々実践していくというものだ。

どのような環境変化が起きようとも、ユーザーにとって価値のあるコンテンツを、テーマを絞って提供していけば、企業は信頼され、長期的な結果は自ずとついてくるはずだ。

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