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B2Bコンテンツマーケティングは、従来のマーケティングプロセスで捉えると失敗する!?/猪口 真

INSIGHT NOW! / 2016年8月17日 15時41分

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猪口 真 / 株式会社パトス

「コンテンツマーケティングをどう活用していいのか分からない」

「コンテンツマーケティングがどこに役に立っているのか分からない」

「コンテンツマーケティングって結局何なのだ」

こうした、B2Bにおけるコンテンツマーケティングがうまくいかないという声をかなりの頻度で聞くようになってきた。

コンテンツがそもそもないとか、継続的にかっこいいコンテンツが続くはずがないといった、そもそも自社にあるコンテンツを作り出すことをあきらめた場合もあれば、最初はコンテンツマーケティングと標榜しながらも、いつの間にかカタログ情報となんら変わらなくなり、意味をなさなくなっていった場合もあるだろう。

最近たまに遭遇するケースだが、コンテンツマーケティングがうまくいかない原因のひとつに、コンテンツマーケティングの効果測定やKPIの設定に、従来型のマーケティングプロセスを持ち込んでしまうケースがあるようだ。

かつて営業を中心としたマーケティングプロセス(セールスプロセスと呼んでもいい)は、「関係構築(自社商品内容の理解)」→「継続(関係継続の承認)」→「商品採用可能性の明確化(具体案件化)」→「提案の承認」→「提案」→「クロージング」

おおむね、こうしたプロセスの進展を計画し、管理してきた。あくまで自社商品からの視点によるプロセスだ。

私が感じるB2Bコンテンツマーケティングを失敗するケースにありがちな要因のひとつが、こうした従来型のプロセスにコンテンツマーケティングを結び付けてしまったケースだ。

それはひとつに、もともとコンテンツマーケティングは、こうした自社視点、発信サイドからのプロセス管理の視点を超え超え、別角度からのアプローチとしての共感を得るものであるからだ。

従来型のマーケティングプロセス(セールスプロセス)をあえて極端な言い方をすれば、仕組みとして管理するものであり、原則として、顧客はすべて同じようなニーズを持ち、セールスサイドもレベルの差こそあれ、ほとんど同じようなことを話し、提案し、行動するということを前提としている。

サービス業など、業界によっては、とっくにそんなことがあるはずもないのだが、商材や業界によっては、それでもひとつの指標として機能する面があるので、伝統的に残っているのだろう。

こうした仕組みとしてのマネジメントシステムに対して、コンテンツマーケティングというのは、まったく異なるアプローチをするものだ。

顧客の新たな側面に光をあて、これまでになかった顧客のニーズを掘り起こし、課題共有を図ろうとするものだ。

だから、顧客も自分の課題に気づき、突然、超のつくロイヤルカスタマーになったり、大型のビジネスに結びついたりする。

当然、逆もあり得るわけで、クライアント側も自社の本当のニーズやソリューションの本質に気づき、他社のソリューションに切り替えられたりもする。

そしてもうひとつ、マネジメントする側が、コンテンツ提供による課題共有という感覚がないために、マネジメントの仕方が分からないことだ。

セールスやマーケティングをマネジメントする側としては、どうしてもビジネスをロジックと数字で管理しようとするため、顧客ビジネスの課題解決、関係構築の上での課題共有という視点に欠如してしまうことがある。

頭では分かっているのだが、マネジメントの職制上、外形的な指標での管理が優先されてしまうのだろう。

コンテンツマーケティングの導入と浸透には、ある意味、マーケティング(セールス)の仕組み自体の転換、管理側の我慢と忍耐も求められるのだ。

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