問題と前提を区別する/泉本 行志
INSIGHT NOW! / 2016年11月8日 7時20分
泉本 行志 / 株式会社アウトブレイン
ただ、ある状況の打開策を検討するといった場合、
問題として捉えるもの、前提条件として押さえておくもの、
この2つを区別することが重要です。
たとえば、業務上のある問題解決を目的とした
プロジェクトとしてスタートしているとします。
期限もスコープ(対象範囲)も当然決まっています。
その中で、問題を解決する策を検討する場面では、
問題と前提を明確に区別する必要があります。
その段階で、「ゼロベース」で考えましょうとして、
「そもそも論」を言い始めたら、収集が付かなくなります。
仮に「製品の納期を短縮する」という目的が
あったとします。
製品が9時から18時までの稼働をしている工場で作られている場合、
ゼロベースで考えたら、「稼働時間を伸ばす」
という発想は、容易にできると思います。
ただ、既に「稼働時間の延長は様々な理由から困難で変更しない」
と確認してあるのであれば、
工場の可能時間は9時から18時という「前提」の上で、
納期短縮を可能にし得る機会点を、製造工程、物流、発注プロセスなどで
発見していくよう議論を進めていく必要があります。
それを、前提を明確にしないままプロジェクトメンバー間で議論が進み、
「そもそも工場の稼働は9時から18時だけでないとだめなの?」
と始まると、
では工場の稼働時間を増やすために、要員のシフト時間をどう組むか、
深夜要員の採用をどうするか、機器のメンテナンス時間をどうするか
など、結果として実現不可能なことに無駄な時間を費やしてしまいます。
問題解決を議論するとき、「前提」を明確に示し、
これは議論してもしょうがない部分を決めた方がいい。
議論すべき「問題」と、すべきでない「前提」をはっきりさせる。
その「前提」条件のもと、取組むべき課題、解決する方法に
時間とエネルギーを注力すべきです。
ところが、これが意外と出来ていないケースをよく見かけます。
「そもそもなんで・・・なの?」
というのは、視点を広げるためにいいときも多いですが、
「そこは触れない」という前提を置いた方が、
実行可能性の高いアイデアを多く発想できる。
何となく、自由な発想で、制約なく、ゼロベース思考で
というのは素晴らしいアプローチで聞こえがいいですが、
すでに実行段階にあるプロジェクトに置いては、
実は「罠」だったりもするのです。。
それは、「前提」なのか「問題」なのか、
具体的な議論は、ここを意識することからスタートしましょう。
この記事に関連するニュース
-
『【製造業向け】形骸化するデザインレビューを再考する』というテーマのウェビナーを開催
PR TIMES / 2024年9月19日 10時45分
-
「物価上昇を上回る賃上げ」はどうなるのか…自民党総裁選「次期首相」に岸田首相が残した"重すぎる置き土産"
プレジデントオンライン / 2024年9月14日 16時15分
-
従来のPBLを超えるプログラムとして設計!産業能率大学の革新的な実践型マーケティング教育「マーケティング・イニシアティブ」実施 ~1年次から3年次まで段階的に成長!実務経験豊富な卒業生との協働で実践力を磨く~
Digital PR Platform / 2024年9月6日 20時5分
-
Skillnote、東京大学大学院経済学研究科経営教育研究センターと「工場長の人材育成」に関する共同研究を開始
PR TIMES / 2024年9月5日 13時40分
-
"仕事のデキない人"はデスクを見れば一発で分かる…トヨタ流「仕事がサクサク進む」整理・整頓の極意
プレジデントオンライン / 2024年9月4日 9時15分
ランキング
-
1「コンビニは高い」払拭目指すセブン-イレブン 松竹梅の“梅”重点強化
食品新聞 / 2024年9月20日 9時57分
-
2漁業関係者、「ぬか喜びにならなければ」=歓迎も中国側の手のひら返し警戒
時事通信 / 2024年9月20日 20時55分
-
3キオクシアHD、1200億円の融資枠設定=三重・岩手の投資に活用
時事通信 / 2024年9月20日 22時41分
-
4ほっかほっか亭「コラボ依頼して賛否」への違和感 日清食品「10分どん兵衛」の成功例に倣えるか
東洋経済オンライン / 2024年9月20日 15時20分
-
5“推しスーパー”投票 総合1位は「ヤオコー」 魚部門、品揃え部門、サービス部門も決定 それぞれの特色も【Nスタ解説】
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年9月20日 22時47分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください