経営戦略構文100選(仮)/構文11:SCPパラダイム/伊藤 達夫
INSIGHT NOW! / 2016年11月24日 13時0分
伊藤 達夫 / THOUGHT&INSIGHT株式会社
SCPパラダイムは産業構造が産業の収益性を規定するという考え方である。産業構造は収益性に影響を与える構造的変数によって規定される。この構造的変数を入力変数として産業の収益性が目的変数として出力される。S:産業構造によって、C:企業行動が規定され、P:産業のパフォーマンスが決まってくるというプロセスを想定する。構造的変数が企業行動を規定するとは、すなわち戦略的自由度がこれによって規定されることを示し、この自由度の中でそれぞれの企業の戦略行動がパフォーマンスを規定するという考え方である。これは、ポーターのファイブフォースモデルではファイブフォースの中のいくつかの要素が構造的変数になり、業界の収益性、すなわち魅力度が規定されることの原型の考え方となっている。
おはようございます。伊藤です。ハロウィンが終わってしまいましたね。私はかぼちゃの仮装なんぞ全くせずに仏頂面で過ごしました。渋谷で冷たい雨が降っていて、マッサージ帰りのタクシーがとても拾いにくかったことが印象に残っています。
ハロウィンが終わるともはや街はクリスマス一色ですね。ええ、今年もクリスマスには一人で仕事をしているでしょう。私は今年も元気です。冬の風は身に染みますが、とても元気ですよ。
この前、「写真では圧勝していますね」と言われて、なんのことかと思ったらこのサイトのプロフィール写真のことのようですね。この写真は今風に言うと「元カノ」が撮ってくれたのです。元カノには私がこんなにかっこよく見えているのでしょう。実物はそれほどかっこよくありません。
確かに、体脂肪率が6%~8%をうろちょろする程度の細マッチョですね。でも、ベンチプレスは55キロでたいしたことありません。でも、腰はくびれています。私以外で腰がくびれている人がいなさそうだというところでは圧勝かもしれません(笑)。
さて、今日はSCPパラダイムについてです。写真は広島なまりが少しぬけない狸顔のGカップ、茜さやさんです。メガネっ子が好きなわけではありませんが、決してメガネっ子が好きなわけではありませんが、メガネでもかけて頑張らないと今日の内容は難しいと思います。読者にメガネ女子がいるかどうかわかりませんが、難しい内容も眉間にしわはよせずに笑顔で読み切りましょう。女の子は笑顔が一番かわいいです。怖い顔はやめましょう。きっと男の子も笑顔が一番かっこいいかもしれません。私も怖い顔はやめて笑顔で生きていこうと思います。
グラビアアイドルはおいておいて、話を元に戻しましょう。SCPパラダイムです。
まあ、ポーターのフレームワーク理解には必須なんですが、世の中的にはそのエッセンスを無視して説明されていると思いますので、説明してみましょう。
それでね、以前にファイブフォースモデルは完全競争市場からどの程度離れているかを分析するんだということを書いたじゃないですか?(たぶん書いたはずです。)
完全競争市場では、超過利潤は失われる。しかし、一般的市場はそうではない。完全競争の条件から離れれば離れるほど、超過利潤が得られるということになるわけです。完全競争市場の条件は、①多数の売り手と買い手の存在、②財の同質性、③完全情報、④参入、撤退の自由の4つでしたね。
売り手、買い手の数に制約があり、財に差異があり、情報は行きわたらず、参入障壁があるならば、現在利潤を得ている企業はずっと儲かり続けそうであることは、直感的にもわかるでしょう。
その離れているあり方を規定している変数を構造的変数と言います。すなわち、業界の構造とは、完全競争市場から何によってどのように離れているか?によって規定されます。その規定する変数を構造的変数というんですね。
これは、戦略の世界でいう戦略変数のことです。これがSCPパラダイムのS:構造ですね。
では、S:構造からC:行動を考えてみます。
もしね、業界の構造があって、その構造が企業行動を定めているならば、構造的変数、すなわち戦略変数が企業の行動を定めているはずですよね。これを信じるのがSCPパラダイムです。
でも、実際にそうでしょうね。業界のプレーヤー数が増えないことが業界/企業の収益性を定めるならば、構造的変数は企業行動の与件になります。
それでね、戦略がもしも、「持続的競争優位を保持する打ち手の束」と捉えるならば、打ち手の束はまさに行動じゃないですか?だから、業界構造、構造的変数、戦略変数が企業の戦略を定めているといえるわけです。
その戦略がナッシュ均衡のように一様に定まる場合もあるでしょうけれど、戦略変数が多ければ、企業の戦略は多様になります。すなわち、戦略的自由度が上がってくる。
その戦略的自由度の中での企業の行動選択が、業界/企業の収益性を決めている。
これがC:行動からP:パフォーマンスですね。
構造が行動を決め、パフォーマンスを決める。
これがSCPパラダイムで、業界構造、外部環境が企業の戦略的自由度を定め、その自由度の中での行動選択がまさに収益性を決めていると考える考え方です。
このパラダイムだと、外部環境を分析する意味合いは明白です。
戦略変数を特定し、戦略的自由度を把握した上で、当社のケイパビリティと相談のうえで、戦略を決定していくためです。
そうするとね、ファイブフォースモデルで、単に枠を埋めている自称「分析」はほぼ無駄であることになります。この業界って、どういう構造になっていて、どれが構造的変数/戦略変数なの?という問いに答えている外部環境分析がどれだけあるでしょうか?
ファイブフォースモデルは細かすぎて使えないという主張をされる方もいらっしゃいますが、毎年毎年全部使って分析しろというわけではなく、業界の特徴として、収益性にクリティカルな要素を抽出するために、ポーターはインデックスを提示してくれていると捉えた方が正しいんじゃないですかね?そりゃあ、初めにはある程度網羅的にやる必要はありますけどね・・・。
業界構造を定める戦略変数があって、それのどこが効いてくるのかは、どの部分がマージナルなのか?に依存したりするでしょうから、繊細な分析も併せて必要でしょうけれど、大枠すら踏まえていないファイブフォースを使った自称「外部環境分析」が多すぎて、辟易しています。
というようなことを言うと、いろいろとあたりさわりがありまして、嫌われちゃうんですね(笑)。儀式としての外部環境分析とか、すごーく嫌いです。フレームワークが埋めてあるだけの資料とか。時間の無駄ですよ・・・。無価値です。
とか言うから、敵認定されちゃうんですよね。そうです。意地悪で、性格が悪くて、人間性が腐っていて、いつもしかめっ面をしているのがいけないんですね。写真ほど爽やかにはできていません・・・。
怒り狂うと、カフェでお釣りをくれるお姉さんの手が震えていたりします。私みたいな化け物が怖くない人がどこかにいないもんかと思っています。冬の風が身に染みます。
それでは今日はこのあたりで。次回をお楽しみに。
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