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金融・投資商品に求める基準、それはやはり “安全性”が最上位なのか!?/LEADERS online

INSIGHT NOW! / 2018年4月10日 12時5分

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LEADERS online / 南青山リーダーズ株式会社

約4分の1の世帯で、1年前と比べて金融資産は減少傾向に

図は金融資産を保有していない世帯を含む、金融資産残高の1年前との増減比較

金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](平成29年)」の調査結果から、「金融資産残高の1年前との増減比較」について、過去1年の比較をまず見ていくことにする。
図「金融資産残高の1年前との増減比較」では、「増えた=19.7%」に対し、「減った=25.6%」と、金融資産が減少した世帯のほうが割合としては高く、もっとも多い割合を占めたのは約半数におよぶ51.4%の「変わらない」となった。

金融資産残高においては、若い世帯主のほうが「増えた」という割合は高い

次は、図「世帯主の年齢別 金融資産残高の1年前との増減比較」の結果を見てみる。
「金融資産残高が増えた」という回答(青い帯部分)を見ると、最下部の20歳代=35.6%と最も高く、30、40、50、60、70歳以上と年代がアップするに従ってその割合は減少していき、70歳以上は20歳代の3分の1の11.0%にまで減少。当然ながら1年前と比較した増減比較の観点からすれば、働き盛りの若い世代のほうが年金や預金頼りの高齢者より、収入増(資産増)が見込めやすいことは確かだろう。

金融資産が増加した理由のトップは「定例的な収入が増加したから」

「金融資産残高が増えた理由」という問いをまとめたグラフでは、「定例的な収入が増加したから」が33.6%と最も高い割合を占めている。次いで「定例的な収入から貯蓄する割合を増やしたから」が25.2%と続く。
ゼロ金利時代に資産残高を殖やした割合が高いことにも注目が集まるが、ただしここで注目すべきは「株式、債券価格の上昇により、これらの評価額が増加したから=14.7%」「配当や金利収入があったから=10.0%」の二つの結果だろう。この2点は世代に関係なく資産を殖やせる可能性が開かれており、なんらかの金融投資商品によって資産残高が殖えた結果といえるだろう。

年代が上がるごとに配当・金利収入、株式、債権等で利益を得ている

さらに、「世帯の年齢層別 金融資産が増加した理由」を抜き出してみよう。「収入増加」の傾向として顕著な傾向は、「定例的な収入が増加したから」を示す棒グラフの青い部分が、若い世代が高い割合を占めている点だ。一方で、棒グラフの赤い部分と緑の部分を示す配当・金利収入、株式、債権等の投資による資産増加は、世代や年齢といった制約に関係なく増加傾向にあるものの、「株式、債権価格の上昇により、これらの評価額が増加したから」(棒グラフの緑色)に限定すれば、70歳以上に圧倒的軍配があがっている。このことからも年代が上がるにつれて「定例時な収入」から「投資」へ資産形成法がシフトしていることが明確になっている。

金融資産の保有方法は「預貯金」が圧倒的。株式は増加傾向

ここまで金融資産の保有について様々な角度から眺めてきたが、では実際に、どのような金融商品を活用しているのだろう。保有する種類と金額をまとめたグラフ「資産、または金融商品の保有方法」と「種類別金融保有額」を見ていこう。

やはり資産、または金融商品の保有方法は「預貯金」が最も多い

図「資産、または金融商品の保有方法」を見れば一目瞭然だが、金融資産の保有では「預貯金」が図抜けて多く、かなり差が開いて生命保険、株式、投資信託、個人年金保険、債権……と続く。ここで過去10年間の推移から見ると「株式」の平均保有額が2013年以降に増加傾向にあることも付記しておこう。

2013年以降、増加傾向にある株式の平均保有額

古くから日本人は「銀行や郵便局での預金や「タンス預金」がメインで、株や投資は危険なもの(リスクがあるもの)とみなす傾向が強かったものの、昨今ではその傾向に変化が生じているようだ。昨年末から一世を風靡している「仮想通貨」の狂想ぶりもその一端なのかもしれない。

金融商品の選択基準は、抜きん出てトップに君臨した「安全性」

次は図「金融商品の選択基準」だ。ハイリスク・ハイリターン、ローリスク・ローリターン……など 十把一絡げに金融商品といってもその中身は多種多様だ。とはいえ、それら商品群の中から資産形成法として重視し、投資を行う際の判断基準となっているのは、大方の予想を裏切らず46.6%と高い割合を示した「安全性」が、抜きん出るカタチでトップに君臨。
また、グラフには表されていないが、「安全性」の内訳は「元本が保証されているから」が30.1%、「取扱金融機関が信用できて安心だから」が16.5%となっている。つまり「損をしない=元本保証」こそが、もっとも重要な選択・判断基準になっていることが顕著となった。


元本割れを起こす可能性がある金融商品は8割が保有しようとは思っていない

ちなみに、「元本割れを起こす可能性はあるが、収益性が見込まれる金融商品の保有についての意向」をまとめたグラフを見てほしい。この問いに対して約8割の世帯が「保有しようとは全く思わない」と回答している。ここでも「安全性」を重視し、投機性の高い商品やリスクを嫌う傾向が明確になっている。

── ここまで世帯や年代ごとの「金融資産」「資産形成方法」「投資の意識付け」を見てきたが、傾向として「現役時代にしっかり稼いで、安全な場所に資産を保管している」「金融商品の選択時には安全性が求められている」ことが顕著になった。
しかしながらこれからの時代、従来の意識・方法が安全策であるかどうかは甚だ懐疑的だ。国や金融業界が様々な資産形成法を謳い、あの手この手の商品が誕生している中、20年、30年後を見すえた資産の殖やし方を、現役時代(体力・余力のある間)から学ぶ必要性が高まっていることは確かだろう。投資に参加するか否かは別としても、話題の金融商品はどんなルールになっているのか、あるいは、どのような違いがあるのかについて理解・見聞を広めておくことは必定となってくることだろう。

≪記事作成ライター:林 明≫
翻訳通訳会社などでの勤務を経て、現在は専門誌の出版社で編集記者として取材、執筆に従事。海外留学時に、日々の暮らしの中で物価が急激に上昇していくのを目の当たりにし、「生活とお金」に興味を持つ。

【記事元】
日本クラウド証券株式会社 https://crowdbank.jp
日本クラウド証券メディア マネセツ https://manesetsu.jp

【転載元】
リーダーズオンライン(専門家による経営者のための情報サイト)
https://leaders-online.jp/

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