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ソフトバンクが進める災害復興DX 能登半島地震で展開した「空・陸・水の支援」

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年4月18日 8時0分

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 能登半島地震から2カ月以上たった今でも、1万5000戸以上で断水が続く。この状況が現地での被害の大きさを物語っている。

 震災復興にあたっては石川県創業のコマツや、アイリスオーヤマなど、直接支援に乗り出している企業もある。大手通信事業者ソフトバンクのグループも、通信インフラに限らない災害復興支援を地道に実施している。

 まず本業の通信インフラ面では2月27日、能登半島全域において仮復旧という形でソフトバンクの携帯通信網を復旧した。加えて、同社は「3G」という2世代前の通信サービスを1月31日で終了予定だったものの、地震発生を受けて4月15日まで延長。被害の大きい石川県限定で7月31日まで利用できるようにした。

 この他にも、自治体と連携した3つの取り組みを進めている。1つ目が、米スペースX社が提供する衛星通信サービス「スターリンク」との連携だ。ソフトバンクでは「Starlink Business」という名称で、法人向けにサービスを展開している。

 地震発生を受けて、ソフトバンクはスターリンクの受信機100台を被災地の教育施設や医療施設に設置した。通信料を無償で提供していて、利用者がWi-Fiにつなげる感覚で使用できるようにした。

 事業を推進する、ソフトバンクの第一事業統括部 事業企画部部長を務める橋詰洋樹さんは、こう説明する。

 「輪島市や穴水町の小中高に各複数台設置し、生徒や避難者が使用できるようにしています。学校では、スターリンクを使ってオンラインと対面のハイブリッドで授業を再開しています。被災地の生徒はそれぞれ被災の状況が異なり、全員が学校に来て対面で授業をするのは事実上、不可能なのです。そこでオンライン授業が役に立ちます。医療施設では、データ通信を必要とするDMAT(災害派遣医療チーム)が活動する拠点に、重点的に設置を進めました」

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 具体的には、学校の屋上などにスターリンクのアンテナを設置。そこから有線を屋内に引き込み、Wi-Fiルーターに接続して運用している。1台のWi-Fiルーターで2クラス分のオンライン授業を安定的に実施できるという。これ以外のWi-Fiルーターの設置箇所も通信量を見ることで、どこに設置したら利用されやすいかを可視化し、最適化しているという。

 「例えば避難所の玄関に設置するのは一番簡単ではあるのですが、利用のされやすさという観点で見ると異なります。被災地でWi-Fiルーターをどこに設置すればいいのかというところまで、今回の震災の対応から学べました。機材の設置から運用までどう対処すべきなのか。今回の地震に限らず今後に生かしていきたいと考えています」(橋詰さん)

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