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「生ドーナツ人気」をブームで終わらせるのはもったいない、これだけの理由

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年4月17日 6時55分

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「生ドーナツ」が人気だが……

 「行列ができるほどの大人気!」とテレビの情報番組などで持ち上げられたことで、似たような専門店が続々オープン。しかし、ほどなく「なんか最近やたら多くない?」と大衆の熱が一気に冷めて閑古鳥状態となり、久しぶりに店へ行ったら「居抜き物件」になっていた――。

 ここ数年、そんな平家物語のような盛者必衰サイクルが速いスパンで繰り返されている。記憶に新しいところでは、立ち食いステーキ、タピオカミルクティー、高級食パン、から揚げ専門店だが、その次になるのではないかと心配されているのが、「生ドーナツ」だ。

 ご存じの方も多いだろうが、2年ほど前から生ドーナツブームが続いている。

 火付け役は、2022年3月、東京・中目黒にオープンした生ドーナツ専門店「I'm donut?」だ。福岡発祥の人気ベーカリー「アマムダコタン」が仕掛けるこの専門店は、卵とバターを多く配合したオリジナルのブリオッシュ生地でつくられたふわふわのドーナツを販売。それが「生ドーナツ」として話題を集め、瞬く間に行列ができる人気店となった。順調に店舗を増やして渋谷、福岡・天神、原宿、表参道と24年4月現在で5店舗に拡大している。

 こういう「カテゴリーメーカー」が注目を集めると、2匹目のドジョウを狙って続々とパク……ではなく、似たコンセプトの専門店が生まれるのが常だ。23年ごろから大都市圏でコーヒーショップやカフェなどがスピンアウト的に「生ドーナツ専門店」を続々とオープンしている。

●山崎製パンも便乗商品で売り上げ拡大

 「ブーム」に便乗しようと考えるのは大企業も変わらない。その代表は山崎製パンだ。同社の「稼ぎ頭」は菓子パンなのだが、そこで「ドーナツブーム便乗商品」が売り上げをけん引している。

 それがよく分かるのが、第76期(23年1~12月)の決算説明資料だ。今期は好調で、売上比36.9%を占める菓子パン部門の売上高も前期を上回って4333億6200万円(対前期比114.0%)となっている。

 そんな飛ぶ鳥を落とす勢いの菓子パン部門をけん引する商品として、生クリーム入りの生地とフィリングを使用した新商品「生ドーナツ」シリーズや「ドーナツステーション」など低価格のものが挙げられているのだ。

 この傾向は24年も続いていく。株主向け報告書で、菓子パン部門を紹介するページでは9つの「スター商品」を写真付きで紹介しているのだが、そこの「センター」にいるのは、24年1月に発売したばかりの「極生ドーナツ(ミルクホイップ)」。同社の「今年も生ドーナツで稼いでいこう」という決意がよく伝わってくる。

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