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カプコン『スト6』とコラボ 愛知のテーマパーク「ラグーナテンボス」の誘客戦略

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年5月5日 22時11分

――こういったテーマパークであれば通例、自分たちでブランドを作り上げる向きが強いと思います。こういった中で、外からIPを招く戦略はどのようなところから始まったのでしょうか。

近藤: 当初はやはり海のテーマパークということで、例えば「海のシルクロードで貿易されてきたもの」というテーマに絞った展示などに、こだわってきた時期もありました。ただ、それだと一般の方にはなかなか浸透せず、集客力も弱い部分がありました。社内でも、外からIPを入れることへの抵抗はもちろんあり、議論自体はずっと続けてきました。転機となったのは、大阪市のユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)が、ユニバーサル映画だけでなくさまざまな作品と組むようになった点です。これが戦略的に励みになった影響は大きいですね。

 一方で、われわれ以外にも、テーマパークが他社IPを取り入れようとする動きは全国的に盛んになってきています。今回のようなコラボをする場合、版元側としては基本的に1業種につき1社だけと組もうとする考えが強いですから、「早い者勝ち」になる側面もあります。同業のテーマパークとIPの取り合いになることも珍しくありません。今組ませていただいている『葬送のフリーレン』も、私たちは大分早い段階から交渉を進めていました。

――どういった作品がこれから流行りそうか、ウォッチする担当の人が社内にいるということでしょうか。

近藤: 社長の小寺を含む、6~7人いる企画部をはじめ社内総勢で常にアンテナは張っています。「最近どんな漫画を読んだ?」といった会話は常にしています。それで「次はこの作品がいけそう」という話は、アニメ化する前から目星を付けている場合もあります。

――コラボを決める際に、重視していることは?

近藤: ラグーナテンボスの主要客はファミリー層です。ですから、その作品が家族で楽しめるコンテンツかどうかは大事にしています。一時期アイドルのイベントを園内で実施した場合には独身の方が多く、イベントだけの目的で来場される方が少なくありませんでした。

 ファミリー層をターゲットにすることで、イベントと園内のアトラクションやイルミネーションも一緒に楽しんでくださる方が多くなります。そうなると、顧客にもラグーナテンボスに来場した価値が上がると思います。こういった相乗効果は意識しています。

――その点、「ストリートファイター」シリーズも今や2世代以上で遊べる作品と言えそうですね。

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