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LINEヤフー、韓国ネイバーとの委託関係を終了へ PayPayとLINEのアカウント連携も延期に

ITmedia NEWS / 2024年5月10日 7時0分

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LINEヤフー代表取締役社長CEOの出澤剛氏

 情報漏えいを受け、LINEヤフーが韓国NAVERへの業務委託の終了を決めた。5月8日に開かれた2023年度通期・第4四半期決算会見で明かしたもので、LINEヤフーが2024年度中と進めていたLINEとPayPayのアカウント連携についても、社内のセキュリティガバナンス強化の優先を理由に計画時期を見直す。

 LINEヤフーは、23年10月に不正アクセスによる情報漏えいが発生したと発表。情報流出は、同社と韓国の関連会社NAVER Cloud委託先企業の従業員PCがマルウェアに感染したことをきっかけに、NAVER CloudのADサーバも感染。その管理者権限や、LINEヤフーのADサーバの認証情報が奪取され、不正アクセス被害につながったとみられている。

 この件に関し、LINEヤフーは24年3月に総務省から行政指導を受けており、同社は4月に報告書を提出。NAVERのシステムとの分離を進める他、「NAVER側から資本的な支配を相当程度受ける関係の見直し」について親会社などに働きかけていくとしていたが、対応が不十分として追加の行政指導を受ける事態に。総務省は資本関係の見直しを含めた対応策について、7月1日までの報告を求めている。

 LINEヤフーでは、従業員向けシステムの安全管理措置として、ファイアウォール導入、不必要な通信の遮断、従業員向けシステム・認証基盤の分離、Acrive Directoryセキュリティレベルの引き上げ、アクセス監視強化、二段階認証の導入、LINEヤフーおよび国内グループ企業によるSOC体制への移管などを実施。委託関連では、委託先管理ルールの強化、LINEヤフー発番アカウントの委託先にLINEヤフー仕様のPCを貸与する。

●「Yahoo!検索」はNAVER→Google継続に

 また、サービス領域でもNAVERとの委託関係を終了。LINEヤフーは、2025年3月末で米Googleとの契約が切れる予定だった「Yahoo!検索」の検索エンジンについて、NAVERの採用を含め開発検証を進めていたが、引き続きGoogleを採用する方針に決定した。

 LINEとPayPayのアカウント連携も延期。同連携はLINEとヤフー、Zホールディングスの経営統合の一環で進めていたもので、LINEの各サービスとPayPayを連携させる構想を持っていた。なお、Yahoo! JAPANアカウントについては2023年10月からLINEアカウントとの連携をスタートしている。

 LINEで使用していたNAVERツールについても内製化を進める。LINEのコア技術は当初から日本で開発していたものの、プッシュ通知の仕組みなど周辺ツールでNAVERのものを使用していた。「韓国のLINEユーザーのサポートをNAVERにお願いしたりといった関係性もある」(LINEヤフーの出澤社長)として、完全にNAVERとの関係を経つのは難しいものの「課題となっているサービス開発や社内システムの委託という観点ではゼロにする方針でやっていく」(出澤氏)という。

 組織体制も変更。社長直下に「セキュリティガバナンス委員会」を設置し、ソフトバンクを含む「グループCISO Board」を設置する。同社はセキュリティガバナンス強化のため24年度に150億円を投じる予定で、追加の行政指導も受けてか計画を前倒しで実施。そのため対策費用が増加する可能性もあるという。

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