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露伴の初恋の決着を目撃せよッ! テレビ初放送・映画「岸辺露伴 ルーヴルへ行く」を楽しむ3つのポイント

ねとらぼ / 2024年5月5日 18時5分

 ここで映画は現代パートに戻る。奈々瀬の失踪から長い年月がたち、露伴は当時彼女から聞いた呪いの「黒い絵」の話を思い出す。どうやらその絵はルーヴル美術館にあるらしい。

 注目すべきは、絵を見に行って初恋の決着をつけようという発想が、大人になるまで思い浮かばなかったことだ。おそらく奈々瀬との苦い記憶を心の中で封印していたのだろう。そんな露伴の繊細な一面が描かれるのは、シリーズ史上「ルーヴルへ行く」が初めてだ。

●2.名作「ダ・ヴィンチ・コード」的展開

 「ルーヴルへ行く」は露伴の恋愛物語であると同時に、古今東西の芸術作品を巡る謎解き物語でもある。

 映画の中盤、ルーヴル美術館で不可解な事件が起き、美術に造詣の深い探偵役の露伴と、その助手役である編集者・泉(飯豊まりえ)が謎に挑む。手掛かりになるのは、絵に隠されたメッセージ。2人は現場で手に入れた情報をつなぎ合わせ、陰謀と黒幕の正体に迫っていく。

 この展開、映面「ダ・ヴィンチ・コード」(主演:トム・ハンクス)をほうふつとさせる。しかも両作品は、美の殿堂・ルーヴル美術館の地下深くには、現代のわれわれの想像を越えた秘密があるという歴史ロマンを描いている。

 実際、ルーヴル美術館には謎が多い。数十年間も行方不明だったモネの絵画が、2016年にルーヴル美術館で発見されたという出来事を引き合いに出しながら、露伴はこうつぶやく。

 「人間の手に負える美術館じゃあない」

 また、映画のなかでは、ヨーロッパの歴史的絵画や彫像に加え、日本画、現代の抽象画といった芸術作品が次々と登場する。

 もはや「ルーヴルへ行く」は、単なる漫画原作の実写映画という枠を超えている。豪華なアートミステリーへと進化した本作は、ジョジョ・露伴ファンではなかった層にもリーチし、興行収入12億5000万円を突破するヒットとなった。しかも、原作未読勢にも分かりやすい親切設計な脚本。だからいきなりこの映画から入って、ハマったら原作漫画を読むというのは「アリ」なのだ!

●3.こんなに「優しいヘブンズ・ドアー」は初めてだ

 3つ目に紹介したいのが、一人の大人としてさらに成熟する露伴の姿だ。従来のエピソードは、取材先で出くわした「怪現象」そのものが主人公で、あくまで露伴の役割は狂言まわし。だから、露伴自身の変化にフォーカスしたエピソードも初なのだ。

 今回の映画のキーワードは「後悔」である。もちろん露伴にとっての後悔は、奈々瀬との関係だ。パリへの旅の間も否応なく彼の脳裏に浮かび、その過去が彼の命を奪う「敵」へと姿を変えて襲い掛かってくる。

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