[山田厚俊]【与党内で蠢く「年内解散総選挙」】~野党結集の動きを潰す一手~
Japan In-depth / 2015年6月9日 23時9分
「野党は、維新と民主が来夏の参院選までに何とか選挙区協力などの道筋をつけたいと考えているようだが、年内に全てを叩き潰す“サプライズの一手”が飛び出る可能性がある」
こう語るのは、古参の自民党関係者だ。そのサプライズとはズバリ、解散総選挙だという。しかし、野党幹部は冷ややかにこう語る。
「昨年12月に総選挙をしたばかりで、大義は何もない。こちらは来年の衆参W選挙にも対応できるように備えるだけだ」
果たして、本当に年内の解散総選挙はないのだろうか。冒頭の自民党関係者が描くシナリオはこうだ。
「来年、衆参W選挙に打って出れば、争点は2017年4月の消費税増税になる怖れがある。景気条項を外したことで、先送りできないが、野党は『それより先にやることがある』と一枚岩で畳みかけてくれば、大敗する危険性がある。では、予定通り参院選をこなした後、10%増税した後に衆院選をしても負ける可能性大だ」
つまり、今後の政治スケジュールを見れば、来年以降の衆院解散はなかなかし難いというのだ。そこで浮上しているのが、今国会で審議中の安保改正法案と労働者派遣法改正案の行方だ。
「安保改正法案は、今国会で無理矢理でも決める。参院で否決されても衆院で3分の2ルールを使って決める方針だ。一方、労働者派遣法改正案は見送りする。労働者側の声に耳を傾けたという姿勢を見せるわけだ。そうして9月の総裁選で安倍首相が再選すれば、解散のタイミングを見るだろう。大義は、この国の安全保障政策の信を問うというもの」
そのタイミングのカギを握るのは、ロシア・プーチン大統領の来日だ。年内に来日し、北方領土4島のうち2島返還が約束されれば、さらなる追い風になると見ている。
解散権は首相の専権事項。年内解散は嘘か真か誰も知る由もないが、大ボラと聞き流すわけにもいかない真実味が隠されているようでならない。
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